黒田グループ(287A)のIPO新規上場情報

2018年にファンドのTOBにより上場廃止、構造改革後のイグジットIPO案件。

セクターは卸売業で電気・電子系の部品「製造」「商社」と総合会社の装い。

直近の業績は減収減益気味で成長性は不透明。初値向きにはなりにくい銘柄。どちらかというと上場後安値で買えれば長期でジリジリと株価を上げる可能性のタイプか？

上場時にファンドが3割弱しか売り出してないため半年後のロックアップ解除以降、いつでも追加売りがありそうで、買いが入りにくいイメージ。

あまり初値を意識してなさそうということで、第一印象の評価は低めに設定。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

東証スタンダード上場、セクター卸売業、再上場案件の地味系IPO。
ファンドによる構造改革で再上場だが、売上利益ともに成長は感じられない。

上場日は3社同時上場で、いずれもやや大きめの吸収金額分散で厳しい。
知名度の点では3社のうち、最下位になりそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年3月度、連結予想EPSは85.984。
想定価格640円から計算される予想PERは約7.44倍。

仮条件は640～700円に引き上げで強気（20％超えはなし）
強気にもなるはずで超割安感が特注のIPO。
野村證券が主幹事に絡んでいて予想PBRで1倍割れ、さらに予想配当60円（3月末）。
株価700円でも配当利回り8.6%レベル。PBR1倍は890円近く。

割安面から考えると、こんなお買い得株が市場に出回るという感覚だろう。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約89.4億（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事はSMBC日興証券と野村證券の共同主幹事。

全数売出しで公募なしのイグジットIPO。オファリングレシオは高めの標準範囲。

筆頭ファンドは上場時に約3割を売出し、残り7割近くが先々の売り圧力に。
ロックアップは180日なので、その後からは大量の売りが観測される。

ストック・オプションの未行使残は約127万株、663円。行使期間は2026年7月からで当面影響なし。

需給面は良くない。割安感で上場時に90億程度の買い圧が入るかどうか？
3社同時上場で、他の銘柄の知名度が高く、ここに手が回るかの観測が難解。

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

ファンドによるTOBで上場廃止、商社と製造を両輪で行う卸売業でオールドタイプ。
再上場案件ということでIPOでは不人気の代表のような銘柄。社名も古くさい。

魅力になる部分は高配当、割安感で、このまま横ばいの業績なら「累進配当の減配なし」ということで
公開価格では配当利回り8.5%程度が約束。この数字が魅力的でないわけがない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

仮条件が強気となったことで、配当利回りの魅力を気づかせた銘柄。
大手予想会社レポートでも、滅多とないレベルの配当が魅力として言及。

一方で3社同時上場で、他銘柄も吸収金額が多く、話題性は他社に譲りそうで、
初値からこの配当などの魅力な部分を感じて初値上昇まで上がるかは懐疑的。

難解な状況になったが、初期のDパスは厳しいと見て総合評価はC級評価に変更。

公募割れになっても配当を楽しめそうだし単価も安い。
PBR1倍の890円あたりを目標株価にダラダラとした付き合いも可能そうで多少見直しても良さそう。
（大きく買えるところが、890円ぐらいまで上場したら余裕で買ってきそうな雰囲気がある。）

もちろんIPOの魅力は話題性で初値で売って儲けてなんぼの人は下手な魅力で公募参加せず、
上場してから想定価格の640円ぐらいでお買い上げぐらいの感じでも良さそう。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です