このところ株主優待クロス取引をする証券会社で急激に人気が高まっているのが楽天証券です。一般信用売建サービスを開始したこともありますが、一番の理由は大口優遇(信用取引手数料が無料になる)の要件が軽いことから、株主優待クロス取引に対して万能口座になっている感触があります。

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今回は楽天証券が株主優待クロス取引におすすめの理由とさらに、大口優遇の上手な適用の仕方を紹介したいと思います。

※2020年9月28日取引分からさらに大口優遇の取引要件が緩和、さらに適用しやすくなりました!このページの内容も書き換えています。

※2023年10月から楽天証券ではゼロコースが誕生したことで超割コースの大口優遇にしなくても取引手数料が無料になります。ただし、ゼロコースではSOR注文(Rクロス注文)が必須条件となっていて不利な取引になる可能性が含まれていることから引き続き、超割コースの大口優遇はオススメの状況です。

楽天証券が株主優待クロス取引におすすめの理由

近頃、たくさんの方が株主優待クロス取引で楽天証券に乗り換えています。そこには納得する理由がありますので、まずは紹介いたします。

  • 一般信用売建サービスあり
  • 取引手数料が安い
  • 大口優遇の適用要件が緩い
  • 取引画面もマーケットスピードを始め、ネット企業らしい使いやすさ

特に逆日歩を避けられる一般信用売建サービスがある点と、一番、大きな理由は「大口優遇/VIP適用」が緩いということですが、1つずつ理由を見ていきましょう。

一般信用売建サービス

証券会社(松井・auカブコム・SBI・楽天・大和・岩井コスモ)一般信用売り建て可能銘柄リスト

楽天証券の大きな特徴はSBI証券に対抗意識が凄いことで、ネット証券でサービスを網羅的に提供する為、SBI証券が一般信用売建サービスに参入したことで、次いで楽天証券も2016年の12月にサービス開始しました。このあたりから注目度が高まりましたね。

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優待クロス取引向けに短期売建も用意しており、在庫確保に頑張っています。またサービス開始してそれ程経っていないので、auカブコム証券のように激しい争奪戦からは少し緩やかな状況です。auカブコム証券の方が一般信用売り残の在庫は豊富な印象ですので、auカブコム証券のサブ口座として活用する人も多いですね。

やはりクロス取引で怖いのは逆日歩です。なるべく避けられるなら避けたいので安心の一般信用売建は使いたいところです。

取引手数料が安い

取引手数料もSBI証券に対抗意識がありますので、最安水準で頑張っています。株主優待クロス取引は小さなお得を積み重ねますので、手数料にはかなりシビアになります。最安水準を常に維持していますので安心して利用できます。

証券会社株式取引手数料比較一覧

手数料は比較表一覧でチェックしてみて下さい。

楽天証券よりも信用取引で安い証券会社もありますが、SBI証券楽天証券が現物取引でも手数料無料が可能になるので、買い側の手数料では一歩有利の状況です。

SMBC日興証券SBIネオトレード証券GMOクリック証券DMM.com証券なども取引手数料の面ではかなり強みがあります。

ここは制度信用で大丈夫そうなものは、さらに安い証券会社も利用するといった使い分けが活きてきそうです。ただ、後述する大口適用要件が楽天証券は緩いので比較的簡単に信用取引や現物取引手数料を無料にすることが出来ます

大口適用要件が緩い

今回、注目して伝えたいのはこの部分です。ネット証券含め、各証券会社ではたくさん取引する人に対してVIP待遇、大口優遇として手数料などを待遇しているところがあります。

楽天証券も大口優遇を用意しているのですが、その適用要件が圧倒的に他の証券会社より取りやすいです!

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狙うはまいにち判定の新規約定代金5000万3000万以上、そして一度達成すれば3ヶ月間大口優遇というのも大きいです。

他の証券会社の優遇で多いのが、「条件は毎月判定」「1ヶ月間待遇」「5億レベルの約定」と結構厳しいので、楽天証券は圧倒的期とも言えます。新規約定代金5000万以上は結構たいへんと言う人もいるかも知れませんが、少し頑張れば達成できますし、具体例を後述したいと思います。見てもらえれば可能性が見えてくると思います。

取引画面もマーケットスピードを始め、ネット企業らしい使いやすさ

楽天証券の強みでよく言われるのが「マーケットスピード(ツール)の使い勝手」だと思うのですが、楽天はさすがネットEC系の企業なだけあって、UIは優れている方です。逆に宣伝系をたくさん見せる手腕も優れているのですが、少なくとも証券会社上がりのネット証券よりは、使い勝手の良いWeb画面だったりツール開発されていると思います。

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マーケットスピードは自由にレイアウトが出来たり、お気に入り銘柄を連携させてスマホ画面や他の画面でも使えます。上記はIPO銘柄をまとめていますが、このように優待銘柄を月別でまとめてお気に入りしておくと毎月の優待戦略が取りやすいです。

私の場合は優待銘柄は別のデータベースで取って、サイトでも紹介しているぐらいですのでそれ程要らないかもしれませんが、証券会社のツールですと、すぐに貸借情報や信用売り建ての情報が見れるので便利です。


オススメの理由を4つ挙げましたが、特に一般信用売建サービスが始まってから逆日歩回避に使えることと、合わせて大口優遇で手数料節約が簡単というのが大きいです。

大口優遇のおかげで手数料が安くなるので、株主優待クロス取引以外の通常取引も楽天証券でしているという人が増えていると思います。

超割コースで大口優遇になれば現物取引手数料・信用取引手数料ともに無料になります。これだけだとゼロコースと条件が同じように見えますが、「SOR注文/Rクロス注文」を通さなくても良いので、こちらの方が安心して取引ができるでしょう。

ポイント還元率のアップもありますが、こちらは適用される取引があればラッキー程度でしょうか?

楽天証券の大口優遇達成の方法

さて、いくら大口優遇達成の要件が緩いといっても、一日の新規建て約定代金が3000万以上は結構大きいし、それを達成するために手数料が掛かるのではないか?という人もいるかも知れませんが、安心して下さい。

手数料を掛けずに、概ね1000万円→700万程度の余剰資金があれば簡単に達成できます。必要な期間は1日なので、他の投資に使わない時期があれば、以下に説明する方法で条件満たして3ヶ月間大口優遇をとっておくと良いです。なぜそのようなことが出来るかと言うと楽天証券「いちにち信用」というサービスが取引手数料0円、そして100万以上の約定代金であれば金利も0円という特徴があるからです。

つまり、いちにち信用を使ってクロス取引をして3000万以上の新規建の実績を作ります。具体的にやり方を紹介します。

1.信用新規建余力を用意

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新規建余力は5000万は必要ありません。1日で頑張れば3~4回転できる方法があるので実は1500万の新規建余力があれば可能な気がしますが、3~4回転は現引きを使いますので現金余力が必要です。現金余力なしでは2回転できますので、上記のように3000万台の信用新規建余力を用意しておけば十分です。

持ち株を楽天証券に入れておけば、代用証券として新規建余力を増やせますし、現金としては1000万あれば概ね3000万以上の新規建余力は作れるでしょう。

ということで第一条件としては1000万ぐらいは用意する必要はあります。ただ、他の証券会社では1000万では全然大口要件を満たせるような条件はないので、かなり緩い条件だと思います。

2020年9月28日からは要件が更に下がったので、3000万以上の新規建余力は要らないでしょう。2回転を考えれば1500万でよいわけですから現金600~700万あれば適用が可能と感じます。

2.いちにち信用を使ってクロス売買

今回は3000万以上の余力があるので2回転取引で紹介します。2回転は前場の寄りで建てて、引けで返済。さらに後場で同様に寄りで建てて、引けで返済します。もし新規建て余力が5000万以上作れる場合ですと1回転で良いので前場であっさり要件満たす取引が可能です。

なお、3~4回転する場合は寄りも引けも建てて、途中で現引きして現渡しの返済で可能になります。

2-1.取引する銘柄選定

以前はいちにち信用では1約定あたりの約定代金が100万未満、50万未満だと金利手数料を取っていましたが、徐々に緩和されており2022年3月には約定代金に関わらず金利手数料もかからなくなりました。ですので金利手数料の面で銘柄選定を気にする必要はなくなっています。

まずは取引する銘柄選定ですが、1枚あたりの約定代金が大きいものを狙います。また出来高が大きくて値動きが安定しているもののほうが、リスクは少ないです。そういったものは空売り料といった特別な手数料もない場合が多いです。

一般信用売建銘柄を検索にかけて、いちにち信用できるもの、そして並び順を降順にすれば要件に合いそうな銘柄が調べやすいです。

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「ファーストリテイリング」や「任天堂」などが良さそうですね。今回は任天堂で行いましたので、任天堂で紹介します。出来高も十分です。株価が46,300円ですので一単元取引すると463万の新規建になります。

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1回転で2500万以上最新では1500万)は新規建を作りたいので、300株を買いと売りで建てれば2778万となり十分です。銘柄選定と金額の調節はやや余裕を持って行って下さい。注意点としては約定代金が100万以上()50万以上なること(いちにち信用の金利を取られないように、2021年7月に50万以上にサービス改善、2022年3月に約定代金条件がなくなる)と、株価が安定していること(ストップ高やストップ安の危険性回避、売買禁止の回避)です。

株価10,000円ぐらいのものが1単元で100万円と計算しやすいかもしれません。それですと800株買いと売りでクロスで取引することで3200万となり条件達成です。前場と後場に分けるなら400株づつなど可能です。

2-2 実際の注文

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朝の寄り前の注文です。5時台に「本日中」で注文していますが寄りと同じです。「寄り」にしておいた方が安心かもしれません。売建と買建でそれぞれ弁済期限1日で注文しています。時間はありますので、焦らずに注文して注文画面で間違ってないか確認したいですね。

9時過ぎで値がつくと寄りの注文が通ります。そしたら、次は引け注文で返済注文を行います。前場が終わる11時30分までにして下さい。私は9時過ぎに引け注文をすぐに出しています。

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昼休みに入ったら全ての新規建が解消されていますので、再び後場の寄付で同じ注文をします。後場で注文が通れば返済注文を引けで行うことで完了です。

上記はすべての注文と約定済みの表示結果です。当日の約定代金が1億を超えています。返済分も含まれているので1億超えですが、大口適用の要件は新規建ですのでこれで5000万を超えたことになります。

手数料表記は注文中は約定代金に対して表示されますが、夕方以降に0円に修正されます。

なお、現在は3000万で良いので上記例ですと注文数量300株でなく200株でも適用になります。46300円x800株で37,040,000円の建玉と計算されているので、十分過ぎる程度の取引量になります。

3.大口適用のお知らせ

以上で完了で、これで翌日から3ヶ月後の月末まで大口優遇が適用されます。

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今回は4月中でしたので、7月末までです。7月にもう一度同じことを繰り返せば10月末まで伸びます。優待クロス銘柄の数もそうですが3,6,9,12月は期末で資金が入り用なことが多いですので、それが済む4,7,10,1月の周期で資金が余ったときに適用しておくと通年を通して大口優遇を適用できて良いかもしれません。

通年を通して大口優遇で取引が可能になります。そうなると必然的に楽天証券がメインになっている方も多いではないでしょうか?一般信用が使えれば取れますし、制度信用でも手数料無料になるので余計な証券会社間の資金移動をしなくても良くなり資金効率が上がります。

欲を言えば、大口適用で信用金利も安くなれば嬉しいのですが、ポイントバックもありますし現状のサービスで十分楽天証券がオススメできるということが証明できていると思います。

後は他社さんがこの状況を見て、大口優遇の条件を変えてくるのか?ですね。