ユカリア(286A)のIPO新規上場情報

医療機関支援事業で業績好調。今後の需要も高そう。
2016年に上場したコンタクトレンズ製造・販売のシンシアの親会社。
主幹事SBI証券。

設定価格は特に割安感ないが、現在の成長状況を考えると、もう少し評価できそう。

吸収規模が大きく、初値から伸びるというほどでもないが短期の人も中長期の人も一考できる優良IPOになる可能性を秘める。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

医療法人の経営支援サービス。近年の病院の赤字経営問題などで需要が高い。
2016年に上場したシンシア（コンタクトレンズ）の親会社で親子上場（親側）。

上場日は12月12日で上場ラッシュに入る前を予定。
しかし最近のIPO地合いはパッとしないことを考慮すると、上場ラッシュ前でも厳しい情勢か？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年12月度、連結予想EPSは64.08。
想定価格1,020円から計算される予想PERは約15.92倍。

業績好調で類似企業と比較しても割安感あり。
この部分が支えになって中長期的には買いやすそうだが、短期視点では盛り上がり次第。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約120億（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はSBI証券と三菱UFJ、モルガン（海外）の共同主幹事。

公募売出比は４：６程度の割合で若干売出が多い。オファリングレシオは高めの標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資が見られるが、半数程度は売られる。
残りの90万株程度の殆どにもロックアップ180日が掛かっており、上場後の売り圧はなさそう。

ストック・オプションの未行使残は528円などで204万株。
上場時参入が約110万株ほどで、インパクトを感じるところ。

吸収金額120億レベルだが、親引けが30億程度、海外売出も20％（25億程度）となっているため、
国内の吸収金額は65億程度で考えたい。それでも今の地合いだとやや荷持たれ感あり。

需給面ではIPOの地合いが改善してくれないと、初値視点で厳しそう。

 ４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

赤字経営の医療法人が増える中、総合的なコンサルサービスをする会社の上昇が目立つ。
最近でもIPOする会社を見かけるが、ここは全国に広がりサービスも包括的で強みがある。

直近の業績推移も良く、医療市場の大きさを考えると、まだまだ成長余地はありそう。
中長期的に期待したい銘柄と言えそう。一方、短期的には下落の可能性も十分あり。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

仮条件はやや強気で、さらに20％超えの条件付き決定幅が816～1,272円となっており、
この条件で公開価格が決定するとなると、初値がプラスかマイナスか判断しづらい。
総合評価はC評価とする。短期的な需給面や、今のIPO地合いを考慮するとパス目線。

一方で中長期も含めて考えると、成長期待も十分あるので悪くない評価ができる。

公募申込みをして初値でプラスになればそれで良し、公募割れから若干下げて推移するなら、
中長期目線に切り替えて考えられる人向けと言えそう。
なお、短期的に下げてしまうと12月は上場ラッシュもあることから簡単に反発は出来ないか？

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です