Ｄ＆Ｍカンパニー(189A)のIPO新規上場情報

医療機関向けにファイナンス・経営改革・人事リソースなどでサポートする企業。地方の総合病院系だと経営が厳しいところがあり需要が高い。そのため、似たようなコンサル系企業のIPOも多い。

現時点での相手先が1つに2～3割となっているのは気になる部分。上場後に拡大できるか？

予想PER的には適正なIPOディスカウントレベル。吸収金額も小さく初値自体はほどほどに伸びそうだが、VC投資もあり、一旦の出口的な印象も拭えない。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

医療機関に対するファイナンス、人材、機材などのサポートなど経営支援業。
基本的にはコンサル業で医療特化と見れば良さそう。

コンサル業は多くのIPOも出ていて新規性には乏しく注目度はほどほど。
病院経営は特に地方で厳しいところも多く、需要はありそうな業界。

上場日が他の6月IPOと少しずれたのは好材料。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年5月度、連結予想EPSは115.59。
想定価格1,000円から計算される予想PERは約8.65倍。

業績は成長よりも安定型。また現在の売上相手先が偏っているのは気になる。
今後、相手先がスケールする可能性もあるし、現状の相手先への売上が減って尻窄みの可能性も。

予想PER的には妥当な価格設定。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約7.82億（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証グロース市場上場。主幹事は大和証券。

売出株式比率14.7%で公募が多い。オファリング・レシオはやや高めの水準。

ベンチャーキャピタルからの出資もあり、上場時には売り出さないので、
上場後の売りには注意（枚数は少ない、ロックアップあり）。

ストック・オプションの未行使残は160,750円、上場時参入58,000株。
上場時参入の160円ストック・オプションは確実に売り圧になりそうぐらいに捉えたい。

吸収金額が小さいことと、売り圧はあるものの枚数自体が少ないことを考慮すれば、
需給面では良好なIPOという評価。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

医療機関のコンサル業で需要はありそうに見えるも、IPOとしてはパッとしない印象。
魅力を振り絞って考えると、上場規模感が小さい点、今後、医療系コンサルでよりスケールする可能性がある程度。

期数10期目でスケールの可能性はあっても、その予兆が見られないところが残念か？
何か画期的なクラウドシステムとか、そういうアピールポイントが欲しかった。

事業的にはファクタリングがメインなので、サービス業でも「その他金融業」系の目線で見ておきたい。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

いまいち見どころの少ないIPOだが、吸収金額が小さいため需給面で初値はプラスになりやすいか？
VCのロックアップが1.5倍で外れることを考慮すると、それ以上はなりにくそう。

IPOの地合いもそれほど良くないので、
好転が見込めない限りは公募より少しプラス程度で落ち着くと見て最終B級評価とする。

いまいちテンションの上がらない（特徴に薄い）IPOなのが残念で、
1つ前の宇宙ベンチャーIPOの結果に引きづられそう。もしくは人気を持っていかれて閑散可能性も。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です