ハンモック(173A)のIPO新規上場情報

法人向け統合管理ソフトウェア開発・導入など。引き続きIPOでも人気の高い分野。しかし競合企業も多くなっている印象。

ここは3つのセグメント「IT資産管理・セキュリティ対策」「営業支援」「OCRデータ入力支援」に分けて、企業によって使うものを選べたりする。大手から中小、そして様々な業種で導入されているのが特徴。

業績は成長は緩やかな状態。30期を迎えて、激戦区で今後の成長見込みはやや薄いか？その分、価格設定も妥当。

吸収規模が30億超えと中規模で、人気はある業種なもののそれほど新規性もない分野、通常地合いなら、そこそこの初値プラススタートになりそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

法人向けの管理システムで人気の業態「IT資産管理」「営業支援、顧客管理」「OCR-AI」の3つのサービスを持つ。
業態や規模によって導入するものを選択できるし、全て利用して統合効率化も図れる。

似たようなサービスも多いため、ここから急激な成長は難しいものの人気業種。
同じ業態のサービスでも知名度は高めとみて注目度は高いと感じる。

上場日も4月の単独上場で、初値にとってタイミング良し。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年3月度、単体予想EPSは142.33。
想定価格2,060円から計算される予想PERは約14.47倍。

業績は安定的な状況で高成長の期待は薄いためか、価格設定は程よいディスカウント。
公開価格には文句ない内容だろう。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約31.4億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場上場。主幹事はSMBC日興証券。

公募5万株で残り売出株の売出IPO。オファリングレシオはやや高めの水準。
売出元はVCなどではなく、創業者一族系の放出。

ベンチャーキャピタルの保有は見られない。
ロックアップはほぼ全てに180日で掛かっている。

ストック・オプションの未行使残は上場時参入8,620株と少ない。

吸収金額が30億超えとやや大きい売出系IPOだが、
VCの出口とはなっておらず、割安感もあるので買い手も付きやすい。

上場後の売り圧に乏しいことから需給面は中規模でも悪くないと見る。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

すでにいろいろなサービスが出ている企業向け管理ソリューションソフトウェアサービス業界ではあるが、
ここは30期を迎え満を持して上場する印象。契約社数も多く、相手先も業種・規模様々対応。

さらに公開価格は上場企業の類似銘柄と比較して割安設定にしているため公募株は買いやすい。
一方で急成長は期待しづらいところなので、上場後割高まで買われてしまうと株価的魅力に欠けると言えそう。
可能性で買うよりも割安で買って、しっかりとIPO時のキャピタルゲインをまずはしっかり頂きたい印象。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

中規模ながらも公募株に割安感の魅力があり、上場後の売り圧・上場タイミングなどを加味してもB級評価が妥当か？
枚数的に公募株が多少貰いやすい中、初値はプラス見込みが強いことから是非とも公募株で欲しいIPO。

なかなか妙味があるとして、ブックビル時が3月末から4月頭という忙しく忘れがちなタイミングながら、
気を抜かずに申し込んでおきたいところ。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です