Ｓ＆Ｊ(5599)のIPO新規上場情報

人気の高いサイバーセキュリティ系IPO。海外の高いセキュリティシステムだけでなく自社開発を含め総合コンサルとしてうまく対応。
大手の請負から中堅中小企業への広がりを目指している。

業績はきれいな右肩上がりで期待できそう。しかし今のIPO地合いでは成長期待のグロース系があまり伸びないのが懸念材料。吸収金額も中規模、主幹事東海東京証券。早くも同時上場となっているなど、初値高騰予測は付きにくい状況。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

サイバーセキュリティ関連。他社製品、自社開発を織り交ぜ低コスト運用が特徴。
IPOの中では比較的注目度が高い業種と見て良い。

上場日は12月中旬、上場ラッシュの入りで2社同時上場。
今年の12月IPOは分散傾向に感じるが、そこに主幹事東海東京証券銘柄がどうか？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年3月度、単体予想EPSは41.09。
想定価格1,320円から計算される予想PERは約32.12倍。

業績の伸びも良く、価格設定は妥当といったところ。
安くしたから安心というような銘柄でもなさそうなので、この程度の評価は仕方ないところ。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約24.1億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース上場。主幹事は東海東京証券。

売出株式比率69.8%と売出しが多め。
売出元はセキュリティ含め半導体総合商社の親会社マクニカなど。

ロックアップは価格解除無しで固め。
ストック・オプションの未行使残は行使期間が翌年から。
上場時の大きな売り圧は基本ないと見て良さそう。

需給面では公募組の売りと、セカンダリーの買いの争い状況。
主幹事東海東京証券のIPOではどうもセカンダリー人気がないことが多いのが懸念材料。

吸収金額20億超えの中規模案件を上場時に支えるだけの買いが入るかどうか？

需給面ではやや厳し目に評価したい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

セクター的にはセキュリティ関連はまだまだ注目されやすい。時折、企業の情報流出のニュースが流れては動意づく。
ところが上場時にそういった良い気配で伸びることが最近はなくなってきた。

IPO地合いが悪いことを考慮すると、公募株の魅力はやや薄めだが、株価が安ければ仕込む魅力がある程度。
いつか上がるを考慮して「公募時に参加か、上場後に参加か」レベルとすれば公募魅力は若干下がる。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

総合的な評価は悪くないのだが、公募魅力という点で微妙となる銘柄。
良い銘柄なのに結局初値は盛り上がらなかったというのを何度も見ているので最終C評価とする。
初値視点で見るとC評価だが、いつかは公開価格を超えても良いのでは？という評価も加えて中長期目線で見たい。

そういった場合はいつでも買えるという心理が働くので、
12月の混み合うスケジュールでは初値売りで儲けようという意識は避けたいか？

逆に初値売りで儲ければラッキー、そうでなくても長期で持って塩漬け覚悟、
下がったら追加売りぐらいの気持ちで参加できる人はどうぞという印象（それなら公募参加必要ないのだが・・・）

東海東京証券主幹事で数が多いので、主幹事で申し込めば貰えそうで後は参加者の判断という銘柄。
こういう銘柄は公募割れも覚悟で全部参加し続ければ、総合的に期待値はあるという感覚では見ている。
ということで私のようなIPOアディクトタイプはとりあえずC評価したけど参加予定。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です