Japan Eyewear Holdings(5889)のIPO新規上場情報

持株会社となっているが「金子眼鏡」「フォーナインズ」という高級路線帯のメガネブランドの上場。世界三大めがね産地の一つ福井県鯖江市の日本品質が強み。

スタンダード上場にしては吸収規模が大きく、ファンドの売り出しの多い換金上場とも取られ初値は苦戦しそう。さらに小売業セクターは初値苦戦しやすい（地合いの影響も大きい）セクターの一つ。

この銘柄からIPO新ルールの上場日スケジュールに期間幅を持たせており、上場日までの動向もフレキシブルになりそうで、臨機応援な対応が望まれそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

眼鏡で有名な福井県鯖江市に本店を持つメガネブランドHD。
高級ブランド戦略と海外販路で成長を目指す。

ブランド名は「金子眼鏡」「フォーナインズ」
IPO的には地味な小売業、スタンダード上場というのが初値目線では引っかかる部分。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年1月度、連結予想EPSは94.17。
想定価格1,700円から計算される予想PERは約18.05倍。

業績は堅調で納得感ある想定価格だったが、
昨今のIPOの弱さを反映して仮条件を大幅引き下げ（約2割引）

このところ仮条件を大きく下げてくれると安心感が出ている印象で、この引き下げは安心材料。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約129億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券と大和証券の共同主幹事。

売出株式比率78.8%と売出が多い。オファリングレシオは高めの標準レベル。

上位株主にVCが並び、ここが敬遠される材料となっているか？
上場時に約3割を売出、ロックアップに関しては価格解除なしの180日。
上場時の追加売はないものの半年後には売り圧が残っていると意識されそう。

ストック・オプションの未行使残は514円で69万株が行使可能期間。
しかし信託型のためこちらも半年間の行使が出来ないようロックアップあり。

需給面は売出多く、大型のため荷持たれ感を感じる。

周りに他の上場がない11月中旬というのが救いとなるか？
いずれにしても地合いの好転が多少必要になりそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

眼鏡産業（小売業）ということでIPOでは人気化は難しい業種。
特徴としては高級路線、海外進出で、世界三大産地の鯖江の魅力を活かした戦略となっている。

眼鏡企業はカジュアル系が幅を利かせてきたので、ここで違ったタイプの巻き返しというのはありそう。

ただ、眼鏡屋さんは既存店をみても浮き沈みが激しく、やはりニッチ分野の小売業という目線で最終評価しておきたい。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

初値に関しては強弱分かれる状況で最終微妙のC評価。

プラスに評価できる部分は、上場タイミング（11月中旬の単独上場）、仮条件の大幅引き下げで配慮。
マイナスと感じるのは小売業で人気なし、スタンダードで規模感大きいといったところ。

このところのIPOの弱さはファンドの出口案件が軒並み公募割れし始めたところぐらいから始まっており、
こちらもファンドの売出IPOとして見られ不人気になりそう。

2割引の仮条件引き下げで十分なのか？そのあたりが初値結果に現れそう。
個人的にはリスクが下がったと考える部分もあるが、プライム上場銘柄のようにはいかないと覚悟したい。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です