インテグラル(5842)のIPO新規上場情報

想定仮条件（2,800円～3,400円）

公募については国内募集株式数 4,125,000 株及び海外募集株式数 1,075,000 株を目処に行われる予定ですが、最終的な内訳は、公開価格決定日（2023 年 9 月 11 日）に決定される予定。売出は全数海外売出予定。

これまでに出資している数社が上場を経験。有名なところではスカイマーク、QBハウスなど。初値苦戦銘柄も多いので、インテグラルという名前に嫌悪感を感じる人もいるかも知れない。

投資会社は不人気銘柄多く、PER低め状況の上場銘柄も多いが、こちらは随分評価されて価格設定が高い。割高に見られそう。ただし、売出は全て海外など意気込みだけは高い。

主幹事の手腕が問われるところだが、公募参加するかはかなり微妙でリスクを負ってまでIPOプライマリーに参加したくない方はパスが賢明か？

一部かもしれないが話題性はあるので、下手な船出はしないだろうと予想して、佐山氏の船に乗るか？

最大5年のロックアップあり、ただストック・オプションを見ると売り優勢に見えるのでもう少し価格を下げて出してほしかったところ。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

他のIPOのイグジットする側のPEファンドとして良く登場するインテグラル。
代表佐山氏はスカイマーク再建などで有名。

注目度はそれなりにありそうだが、良い意味でも悪い意味でも注目度が高い。
上場日は上場ラッシュのスタートにあたり、結果が後のIPOにも響きそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年12月度、連結実績EPSは74.52。
想定価格3,100円から計算される予想PERは約41.6倍。

次期予想は困難なため非公開となっている。
中間実績ですでに2022年12月を上回る収益と利益。

この業種は不人気で軒並み低PERがひしめくことを考えると評価しづらい。
仮条件は大幅に引き下げたが、それが割安演出にはなりにくいタイプ。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約267億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。→仮条件を下げたことで200億程度になりそう。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は野村證券と大和証券の共同主幹事。

既存株主にベンチャーキャピタルなどは見当たらない。
むしろ自社が投資ファンドなので、投資ファンドに投資するという変な構造。

ロックアップは3～5年と非常に長く既存株主はかなり拘束される。

しかしストック・オプション分が強烈な売り圧となる。
5円など含め441円までで約220万株という大量の上場時参入。

高値で売るのが仕事の会社なのでストック・オプションも普通に考えれば早く行使して現金化が常套手段だろう。

仮条件を大幅に引き下げてようやく売れるかどうか？というレベルを考えれば、
需給面は厳しいと言わざる負えない。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

公募組からするとこれほど魅力を感じないIPOはないだろう。
敢えてPEファンドを上場市場で買う理由は見当たらず、上場して自社も市場で放出して現金化するイメージが強い。

一方で投資ファンドとしての意地で公募割れを引き起こさないかどうか？何度もイグジットしたIPOが公募割れ起こしているため、
そんなところに意地はなさそうだが、主幹事としては売り捌けるほどの値札を付けた雰囲気があるので、
この価格なら買ってもいいという需要を喚起できるレベルまで値ごろ感が出ているのかどうか？

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

仮条件の大幅引き下げは想定されたが、それをもって買いに行って良いのかを判断するIPO。
仮条件上限2,400円は想定仮条件の下限2,800円から約15％オフ。
数字的な目安になりやすい2,500円を切っているため、初値2,500円目途ぐらいで頑張るかどうか？

逆にいくら価格を下げてもこの手のIPOにはノータッチという人も多そうなので、
問題は価格じゃないというのもある。
いくらだろうがこの手のIPOは触りたくない人はパスが賢明。

2,400円買い、2,500円売りぐらいの100円幅がこれなら取れるだろうと考える人が微妙だけど手を付けてみるか程度。
個人的にはIPO全体のことを考えると納得の行かない銘柄の上場なのでパス気配。
IPOなら何でも良いわぐらいな人が被害を受けて、市場の改善役目になるかも知れない。

全体考察
総合得点は3点で、私のBBスタンスはD評価です