ＩＮＦＯＲＩＣＨ(9338)のIPO新規上場情報

モバイルバッテリーシェアリングサービスで設置数No.1。町中でも数が増えて時代を感じる。

企業戦略としては自動販売機みたいに町中の至る所に設置することで、どこでもバッテリーは安心といった状況にしたいか？家から水筒にお茶入れて持っていくのを辞めるみたいな感覚狙い？

IPOスペックは凄く特殊。値ガサ、小粒案件。売出なし。ロックアップのかかりも変な条件。ストック・オプションも価格異常。

状況を見ると上場はしたいものの、赤字膨れ上がる状態の中しようと思うと、売出なしで規模極小など上場意図が理解できない格好になったか？

上場ラッシュ中に小粒だけで初値上昇できるのかみもの。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

モバイルバッテリーシェアリングサービスを運営。
全国でトップシェアということでよく町中に出る人は知っている人も多そう。

どこでも借りれて、どこでも返せるという事業は一度定着してしまえば流行る要素も秘めている。
個人所有から切り替えてもいいかな？と感じるバッテリーから始めており事業自体の注目度は高そう。

上場日は2社同時上場。ラッシュ中盤で買い疲れは意識したい。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年12月度、連結予想EPSは-649.01。
想定価格4,400円から計算される予想PERは約-6.78倍。

売上拡大も赤字拡大、黒字化はまだ先の計画での上場。
価格面からの評価は出来ない。

前回の資金調達より時価総額が落ちているダウンラウンド上場（2021年11月の価格評価半分以下）で、
そうみれば公開価格が安いと判断すること出来る。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約2.83億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は大和証券。

売出なし。公募561枚。なんというか上場の最低要件レベル。オファリング・レシオはかなり低い。
なんとしても今年中に上場したかったらこの条件でという内容。

既存株主にはベンチャーキャピタルからの出資が多く、上場へのプレッシャーきつかったか？
ロックアップは90日or2倍と、こちらも1.5倍でなく2倍というきつめの条件。

ストック・オプションの未行使残はボリューム多いも行使価格が想定価格より高く、
これもダウンラウンド上場の影響が出ていると見れる。目先の目標株価として見ることも出来る。

異質とも言える公募売出の内容で、上場時の時給は悪くない。
親引けもあるので正直公募として配分される株はプラチナチケット級。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

国内トップシェアのモバイルバッテリースタンド事業。
日本ではどこでも飲み物が買える自動販売機が活躍しているように戦略的には面白いと思う。

スマホの充電がなくなるというのは多くの人の問題であり、個人それぞれで所有している状況と見て取れ、
今はそれで事足りているけどバッテリースタンドが普及すれば、そちらにほとんどの人が頼るという状況はありそう。
他事業への展開や緊急時のバックアップとしてなど用途も考えてみると結構ある。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

売上急拡大も、赤字拡大でダウンラウンド上場しなくちゃいけなくなったギブアップ上場系。
そのためIPOスペックが他に比べて異質。
値ガサ・小粒・売出なしのオファリングレシオ低いなどいろいろと別腹案件。

上場日の温度感次第で大きく上にも下にも初値は振れそうだが、
かなり供給が絞られているのと価格評価が下がっていることから公募株にはプラチナ級の価値が出ているのは確か。

サービス業にしてはバイオベンチャー並みにギャンブル的で胡散臭さ抜群だが、
IPO公募参加ではこういう銘柄をビビって参加しないと何も出来ないので、
公募割れ上等で参加できる人は参加姿勢で良いのでは？と感じる。

リスクは高いので総合評価Cと迷ったが、公募チケットの価値を意識してBと評価した。
ただ、枚数少ないのでどうせ獲得できないと悩むだけ無駄案件の可能性あり。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です