THECOO「ザクー」(4255)のIPO新規上場情報

想定価格1枚50万以上（7180円！）の値がさ株。遠い昔のIPOバブルの時期を考慮すると値がさ株は悪くないが、IPO地合いの弱さがどう響くか？

事業はインフルエンサー事務所的な部分でUUUMみたいな印象。ファンコミュニティアプリ運営で「個の力」を引き出す新業態感はある。

売上伸びるも赤字続きで不安定な経営。上場後にさらに伸びるイメージがそれほどなければ上場後苦しい可能性も。

ハイリスク・ハイリターンな第一印象で、12月のIPOラッシュのど真ん中に持ってきたのでさらにややこしくなる。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

ファンコミュニケーションアプリを展開。方向性的には新規性が強い企業。
芸能人銘柄として注目度自体は高そうなので、上場ラッシュでは目立つ。

12月22日上場は6社同時上場。どちらかというと注目度高い側だがどうか？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年12月度、単体予想EPSは-63.5円。
想定価格7,180円から計算される予想PERは約-113.07倍。

売上伸びるも連続赤字。そこに来て異様な値嵩株という価格設定。
本来、異様な値嵩株はチャンスも多く含まれているが、連続赤字企業のIPOは厳しい結果が続いていてリスク高い。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約41.3億円（想定価格ベースOA分含む）の中型～やや規模の大きいIPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はみずほ証券。

公募売出比は公募２：売出３程度。オファリングレシオは高めの標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資が複数あり、売出で一部放出。
さらに上場後のロックアップも１．５倍の価格解除設定があり、この価格帯なら売って来そう。

ストック・オプションの未行使残は60円価格で複数。後は600,795円。
想定価格で60円は100倍、600円でも10倍。

値嵩株で40億レベルの吸収金額となると不安な部分も多い。
ハイリスク・ハイリターンを感じる案件。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

芸能関係の業種は人気化はしやすい。ただし、ちょっと行き過ぎた雰囲気が市場にどう捉えられるか？
IPOがイケイケ状態ではないだけに、上場ラッシュ中にきついシッペ返しが見られる可能性も。

値嵩株はリターンが大きくなりそうで魅力と捉えることも出来るが、リスクも大きく判断が難しい。
特に連続赤字で期待感で評価されている部分で、注目技術系でもないので、
どうも目をつむって飛び込みにくい内容となっている。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

強烈な値嵩株でもあり第一印象では注目度が高かったが、
冷静に見ると赤字企業で、価格設定も判断が難しい内容。
IPOの地合いの弱い状況ではリスクのほうが増長されそう。

いずれにしてもハイリスク・ハイリターン系のギャンブル案件。
怖いところに飛ぶこむ勇気が必要。IPOとは本来そういうものだが、12月上場ラッシュも相まってどう転ぶか判断が難しい。

ハイリスクが嫌ならパス。ギャンブラーなら参戦というイメージ。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です