ラストワンマイル(9252)のIPO新規上場情報

インフラ系サービスの取次契約を一括して請け負う「まるっとシリーズ」がメイン事業。複数のサービスをワンストップで扱えるのが特徴で、不動産や引っ越し業者とも組んで、便利さを出している。便利なサービス（ビジネスモデル）に思えるが、結局は取次セールス業というのがどう見られるか？

業績は思ったほど伸びてないように見られるのが不安点の一つで、IPO価格が高いと見られる可能性も。

しかし小型マザーズ案件が、SBI証券主幹事での登場ということで外せない注目度となりそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

SBI証券主幹事案件。いわゆるインフラサービスの取次販売店舗だが、
社名のラストワンマイルはいいネーミング。「まるっとシリーズ」で手軽にお得にを重視。

11月24日は唯一の同日上場となる。
それほど新規性の高いビジネスとは言えないので、注目度はそこそこで判断。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年11月度、連結予想EPSは50.74円。
想定価格1,330円から計算される予想PERは約26.21倍。

想定価格は控えめに割安感があったが、仮条件が結構強気。
上限で想定価格比28.6%高と値を上げてきた。割安面でみると旨味が薄れた印象。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約5.35億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はSBI証券。

公募売出比はほぼ半々。オファリングレシオは低めの標準範囲。

VCなどの出資は控えめ、逆に「光通信」「エアトリ」「プレミアムウォーター」「ベクトル」など出資が盛んな会社の
持ち分も多く「180日or1.5倍」のロックアップでは価格解除で売りの可能性が高い。
特に主幹事SBI証券だと分かりやすく板が出ることが多く、ロックアップ解除売りを熟す買い需要があるか。

ストックオプションの未行使残も行使期間に入っている株数多く、売り圧力として見ておきたい。

特に1.5倍を超えたあたりからは売りの可能性がたくさん見えているので、
1.5倍価格は目安の一つになりそう。そこまでは買いやすいという展開になるか？

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

生活のインフラ系サービスをまとめて取り次ぐ企業は、比較的新し目のビジネスモデル。
まとめて提供することで割引提供と、一つの窓口で対応できる利便性がある。

世の中のサービスでは選択出来る幅が広がったが、1社がまとめて良いものを品質保証サービスは面白い。
逆に言うと自分で選択しない分、ややマージン取られているという覚悟も必要。
（そこがビジネスの肝だけに収益性を高めるのと顧客の利便性を高めるのがジレンマに陥りそう）。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

SBI証券から普通に楽しみなIPO登場という印象。
提携企業も多くある程度ビジネスとして醸成されている感がある。

急成長というよりもしっかりと利益を積み重ねそうなスタイルというのも割安感が出て好感。
ただし、やや仮条件を上げてきている。
需給面ではロックアップ解除の1.5倍価格が大きな目安になりそう。

11月下旬のIPOはそれなりの多く、上場日は2社同時上場。
ロックアップ解除価格程度の初値ならインパクトが薄いが、控えめなスタートになりやすそうな環境に見える。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です