逆日歩のかからない一般信用売建サービスのできる証券会社の特徴とまとめ

2019年に一般信用売建サービスに大手証券のSMBC日興証券が参入するなど、サービス競争に大きく変化がありそうです。このページでは逆日歩のかからない一般信用売建サービスに焦点を当ててまとめてみたいと思います。

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証券会社7社(松井・カブドットコム・SBI・楽天・GMOクリック・大和・岩井コスモ)一般信用売り建て可能銘柄リスト

なお、一般信用売建サービスの最新の在庫状況は上記ページでまとめますので、在庫状況をスムーズに確認したい方は上記ページを利用ください。

一般信用売建サービスの活用方法

まずは何故一般信用売建が注目されるのか?またその活用方法について少しおさらいします。

株主優待タダ取り(クロス取引)を始めてみませんか?

一般信用売建サービスの活用方法として、一番説明しやすいのが株主優待銘柄のクロス取引でしょう。株主優待クロス取引とは簡単に言うと「優待が貰える権利付き日に現物の買いと信用の売りを同時に持って株価の値動きのリスクを抑えて優待を頂く方法」です。

一般的に配当や優待権利落ちといって、権利付き最終日をまたぐと株価は下落します。その下落分を同量の信用売を持っておくことで回避して、株主優待だけ美味しく頂くという流行ってきている方法です。

信用取引を使うので初心者の方には最初は怖いとか危険といった印象がありますが、やってみると怖くないことがわかり初心者の方にも信用取引の売建のイメージが掴みやすいので、私としてもオススメしています。

しかし、この取引を信用取引でも「制度信用」を使うと売建に逆日歩という金利手数料がきます。この逆日歩が株主優待の価値よりも高くなってしまうと、手数料をたくさん払って、価値の低い優待をとってしまう失敗取引になります。それを回避できる手が、逆日歩のかからない一般信用売建で、人気があり今は争奪戦の様相となっていますね。

なお、信用売には貸株料という1日あたり数%の金利手数料がかかります。一般信用売建は人気があって早めの争奪戦となっていますが、あまりに早くクロス取引で保持していると数日分の金利手数料が効いてきます。早く取らないと在庫がなくなるかもしれない(現在は人気優待銘柄は慢性的な在庫不足)、でも早く取ったら手数料支払でどんどんと優待を安くもらう旨味が減っていくという状況になっています。

長くなりましたが、一般信用売建の最大の特徴は逆日歩がかからない(逆日歩リスクがない)ことでしょう!

株主優待クロス取引もつなぎ売りの一種ですが、こういったつなぎ売りでヘッジをかけて利益を確定させる場面は他にもいくつかあります。特に数%の割引で販売されるイベント系の出来事で使えることが多いですね。そういった場面でも逆日歩が気になることがあり、一般信用売建が重宝されます。

一般信用売建サービス提供開始の歴史

一般信用売建サービスが証券会社から提供されるようになったのはいつからでしょうか?また、今では複数の証券会社が一般信用売建のサービスを提供していますが、そのサービス提供の変遷を少し紹介します。

  • 松井証券が業界初一般信用売建サービス開始(2003年)

2003年に松井証券が業界初のサービスとして「無期限信用取引(一般信用取引)」を開始しました。

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ホームページのサービスの歴史の中でも輝かしく「業界初」と載せています。松井証券は社名こそ古い印象があるかもしれませんが、ネット証券の中で先んじて新しいサービスを提供することでも知られています。

初期のことは取引手数料体系が「ボックスレート」ということで、1日に複数銘柄を売買する株主優待クロス取引では手数料の節約もでき、最初の利用証券としてオススメでした。

最近では他社さんが、次々と同じサービスを開始して手数料体系でも他社を使ったほうが良かったり、松井証券は短期売を用意していない、優待権利付き日前になると優待銘柄が売り禁になって結局、売建が出来ないといったことが続いていて、このあたりのサービス改善で後発サービスに負けないよう復活して欲しいところです。

個人的には「業界初」が多いところなので、仕組みを変えるびっくりするサービスが出てくることを期待しています。

  • カブドットコム証券が2004年に一般信用取引取扱い開始(2012年2月に売短サービス開始「業界初」)

松井証券の対抗馬としてどんどんとサービス力を見せつけたのがカブドットコム証券です。一般信用売建サービスの開始以来、どんどんと対応銘柄を拡充。さらに2012年には短期売りサービスを開始したことで、さらに銘柄数を増やすことが出来ました。

MUFGグループの強みを生かして、抜群の在庫確保が特徴です。

カブドットコム証券の在庫確保力により、松井証券を抜いて独占体制に入った時期がありました。短期売でも在庫が出ると争奪戦が起こるようになり、抽選システムを導入していますが、なかなか当たらない場合も出てくるぐらい人気が出ています。

このサービスを提案・導入した社員には特別ボーナスがかなり出たとか出ないとか?また、やや独占状態でしたので金利や取引手数料が高くても利用する人が多く、かなり証券会社としては儲けたのではないでしょうか?

今でも最大規模の対応銘柄数で、一般信用売建ならカブドットコム証券からというぐらい最大勢力と言えるかもしれません。

  • SBI証券が2015年に一般信用売建サービス開始(長期・短期)

カブドットコム証券の独占体制が続いていましたが、ネット大手証券がそれを黙っているわけには行きません。サービス開始には在庫確保にかかるコストがありますので、慎重になっている部分もあったかもしれませんが、口座数で最大手のSBI証券が他社にあって、SBI証券で出来ないサービスがあっては困るでしょう。2015年に参入してくれました。

サービス開始当初から無期限(長期)と短期を用意し、当初から株主優待つなぎ取引を目的としたサービスとして出てきた印象です。権利月が近くなると対象銘柄の短期売の在庫確保にいそしんでいる気がします。

2018年には5営業日だった短期売が15営業日に延長。実質、短期売では最初に確保できる証券会社になっています。どうしても欲しい銘柄で早く確保したい場合は狙いたいところですね。一方、約定代金が大きい銘柄は金利負担が嵩みますが、それを理解していない層もチラホラ感じられるところです。

サービス当初は在庫確保の少なさも感じましたが、最近は他社も提供し始めたことで取り易さが出てきています。特に取引手数料キャッシュバックキャンペーンなどと組み合わせると、手数料も節約できるのがいいですね。

  • 楽天証券が2016年12月に一般信用売建サービス開始(長期・短期)

SBI証券のサービス開始から遅れること一年。ついに楽天証券もサービスを開始しました。楽天証券SBI証券はお互いに手数料水準やサービス水準などで負けないようにライバル視している印象が強く、SBI証券が出てくれば楽天証券も出してくるだろうと思っていました。

短期サービスはカブドットコム証券と並ぶ返済期限14日。サービス開始当初は「使える証券会社が増えて在庫取りやすくラッキー」程度に思っていましたが、楽天証券の大口優遇で信用取引手数料無料というコンボ技により抜群の人気を博しています。

楽天証券の大口優遇は他の証券会社よりも条件が緩いことから、手数料をなるべく節約したい層からかなり支持を受けていて、まずは楽天証券で確保できるか?が一つの選択肢になってきています。

株主優待クロス取引おすすめ証券会社、楽天証券は大口優遇が他社より要件軽くお得!

信用取引手数料が無料になるのは大きなアドバンテージです。さらに楽天証券は楽天商圏との融合も進めており、ポイントバックなど株主優待好きが狙いそうなサービスをたくさん出せる優位性もありますね。

一般信用売建サービス情勢に大きな変化を与えた証券会社だと思います。

  • GMOクリック証券が2018年8月に一般信用売建サービス開始

昔は5大ネット証券といわれて、その中に入っていなかったGMOクリック証券ですが、取引手数料の易さや取引ツールの使い勝手を武器に勢力を伸ばしてきたGMOクリック証券です。もう、5大ネット証券という表現は過去のものになっていますね。

信用取引手数料の安いGMOクリック証券で一般信用売建が使えるのは衝撃ポイントの一つでした。

株主優待クロス取りにGMOクリック証券がオススメの3つの理由

私も信用取引手数料が安い点と、株主優待によるキャッシュバックを受けられるので実質無料で取引できることから制度信用ではGMOクリック証券をよく使っています。楽天証券の大口優遇でも手数料無料化が可能ですが、緩いとはいえ大口適用をさせないと手数料が掛かります。

GMOクリック証券は一般信用売建サービスを始めた時期に、信用取引手数料の料金体系が変わり、若干の値上げになったことが残念ですが、それでも株主優待の手数料キャッシュバックのコンボと合わせて使える証券会社です。

在庫確保も他社では厳しい銘柄もひょっこり残っていることが多く、武器としてしっかり用意しておくと使える証券会社ですね。

  • SMBC日興証券が2019年3月に一般信用売建サービス開始!

大手証券の参入に衝撃を受けた人も多いでしょう!SMBC日興証券は大手証券の一つでSMBCグループということもあり信用力でカブドットコム証券のように在庫確保に期待がかかります。

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SMBC日興証券がサービス開始のリリースで出てきたスペックです。スタート当初から約2000銘柄!すべて長期の3年、貸株料も低い1.4%とどれをとっても、後発スタートとして素晴らしい内容です。

SMBC日興証券のダイレクトコースの信用取引手数料は無料です。これは条件無しで無料で、実は凄いことなのですが、今までSMBC日興証券はネット取引でなく、対面取引系で手数料が高いという印象の人も多かったと思います。

これで在庫確保がサービス開始で抜群であれば、間違いなく株主優待クロス取引で一番手に使われる証券会社になるでしょう。これによって、他社さんはサービス改善をしないと使ってもらえない可能性が出てくるので、よりこの分野でのサービス活性化が期待できますね!

  • マネックス証券が2019年3月に一般信用売建サービス開始!

5代ネット証券で唯一サービス提供がなかったマネックス証券も追随となりました。 期待の高いSMBC日興証券と同時期に開始となってしまったので少しインパクトは薄いですが、これで5大ネット証券で一般信用売建サービスが全て扱われていて、サービスとしては揃った印象です。

一気に一般信用売建サービスが認知されそうだなぁと思っています。

スタート当初は約280銘柄となっていますが、3月優待を意識した構成のようですので、明らかに株主優待クロス取引に使って欲しいというサービスでしょう。なお、短期サービスはないので、松井証券やSMBC日興証券と似たような雰囲気になると思います。

これで主要なネット証券が出揃いましたので、後は手数料比較などが重要な側面になると思います。

  • 大和証券は2004年11月から一般信用売建サービスを開始している!

実は大手証券の一角大和証券のダイレクトコースでも一般信用売建サービスがあります。こちらは残数表示が有るので在庫が分かりやすいです。また短期の取扱はありません。

大手証券だけあって在庫確保力はあるのですが、取引手数料体系がやや高いので、株主優待クロス取引など少額の得を積み重ねる場合は手数料がネックとなり、あまり使われてない印象です。

是非とも、ネット証券並みの取引手数料になれば嬉しいかと思います。

  • 岩井コスモ証券も古くから一般信用売建サービスを提供しています。

何年にサービスを開始したのかは、私が調べた時には始まっていたので分かりませんが、かなり歴史はあります。ただし、あまり株主優待クロス取引を意識して調達している模様ではないので、あまりクロス取引では使われていません。手数料体系もそれ程競争力のある安さではないので、キャンペーンなどでうまく活用できる時用でしょうか?

私は殆んど利用していませんが、いざというときや今後、優待銘柄に向けてのサービス拡充もないとは言えませんので、とりあえずチェックしています。


2015年以降に一気にサービス対応証券会社が増えて充実したラインナップとなっています。2019年には9社で一般信用売建サービスが使えますので、私達としては各社の在庫情報のチェックや、手数料をなるべく節約するための使い分けが重要になってきていますね。

証券会社7社(松井・カブドットコム・SBI・楽天・GMOクリック・大和・岩井コスモ)一般信用売り建て可能銘柄リスト

在庫チェックは一覧で見れるようなページを用意しています。さらに、今後は手数料比較もスムーズにできるようなページを作成予定です。2019年のSMBC日興証券参入によって、この一般信用売建サービスの競争が過熱するのではないか?と思っているのですが、甘い期待でしょうかね?

一先ず、すべての証券会社を利用して、利用者としてはうまく使い分けるテクニックも身につけるのがコツでしょう。

一般信用売建サービスの各証券会社のスペック比較

最後に先に上げた証券会社の一般信用売建サービスのスペック比較をしてみましょう。重要な部分を一覧で表示できればと思っています。

  • まずはなんと言っても対応銘柄数

一般信用売建サービスが使いたくても銘柄が対応していないと使えません。 その対応銘柄数は随時増減しますので、下記ページにてまとめるようにしています。

証券会社7社(松井・カブドットコム・SBI・楽天・GMOクリック・大和・岩井コスモ)一般信用売り建て可能銘柄リスト

2019年参入のSMBC日興証券は約2000銘柄、マネックス証券は約280銘柄でスタートとしていますので、対応銘柄数で順位付けをすると

  1. カブドットコム証券(2000銘柄以上、短期銘柄あり)
  2. SMBC日興証券(約2000銘柄)
  3. 大和証券(約1500銘柄)→優待向けではない
  4. 楽天証券(約1400銘柄、短期銘柄あり)
  5. 松井証券(約900銘柄)
  6. SBI証券(約800銘柄、短期銘柄あり)
  7. 岩井コスモ証券「ネット取引」 (約450銘柄)→優待向けではない
  8. GMOクリック証券(約400銘柄、短期銘柄あり)
  9. マネックス証券(約280銘柄)

以上のような結果になります。ただし、上記の中であまり優待狙いの銘柄の在庫確保をしていない証券会社や、実際には売り禁になったり、在庫不足で結局取れないということもよくあります。実際の使用感で見ると新規でまだ使い勝手が分からないところも除けば、

カブドットコム証券楽天証券SBI証券GMOクリック証券松井証券

上記の順番で、優待クロス取引では対応銘柄の数が多く取得できるという印象です。このあたりはサービス競争で順位付けは変わってくるかもしれません。

  • 手数料関係の使いやすさ(コスト削減視点)

次に、株主優待クロスでは優待価値自体がそれほど金額換算で大きくはないので、小さな利益(お得)をコツコツと積み重ねることになります。そういう意味では少しでも取引手数料を削減することは重要になってきます。

株主優待クロスで一般信用売建サービスを利用した場合、かかるコストは2つ。信用取引手数料と金利手数料(売建の貸株料)になります。そちらも最新情報を一覧でまとめたページを用意しています。

証券会社株式取引手数料比較一覧(取引手数料)

信用金利・保証金・維持率比較一覧(金利手数料)

まずは取引手数料で使いやすさをランキングにしてみましょう。株主優待クロス取引では1日に複数の約定がありますので、1日の約定代金に対する手数料体系で見たほうが比較しやすいです。例えば、その場合で100万と300万の約定代金だった場合の手数料を比較して順位づけすると

  1. SMBC日興証券(100万→0円、300万→0円)
  2. GMOクリック証券(100万→432円、300万→1,296円「株主優待キャッシュバック技あり」)
  3. SBI証券(100万→515円、300万→1,379円)
  4. 楽天証券(100万→926円、300万→3,240円、大口適用で0円が緩め)
  5. 松井証券(100万→1,080円、300万→3,240円)
  6. マネックス証券(100万→2,700円、300万→2,700円)
  7. カブドットコム証券(100万→820円、300万→1,188円、定額プランなし)
  8. 岩井コスモ証券「ネット取引」 (100万→864円、300万→1,080円、定額プランなし)
  9. 大和証券(100万→3,200円、300万→3,200円、全体的に高め)

とりあえず順位づけして書いてみましたが、手数料プランなどが複雑で、人によっては使い勝手が良い証券会社は異なると思います。ただ、手数料を考えれば取れるなら上位に載っている証券会社の方が節約しやすいです。

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さらに金利手数料の一覧を表で紹介します。これを見ると貸株料を1.4%で始めるSMBC日興証券は手数料面でも抜群の使い勝手です。SMBC日興証券で在庫が豊富になれば、多くの方が取引証券会社を移行するのではないでしょうか?

金利手数料は一日にすれば100万の建玉で3.9%で100円程度ですが、早期クロスなどで日数が多くなればじわじわと効いてきます。なんとなく見えづらいコストですが、小さな利益を積み重ねる取引では重要と言えるでしょう。

証券会社さんにはしっかり儲けていただいて、その分、手数料を下げて還元してもらえればと思います。そのためには、私達利用者もしっかりと良いところを選んでたくさん利用してあげるというのがお互いにwin-winになるかなと感じますね。


記事が長くなりましたが特に2019年のSMBC日興証券参入による証券会社サービスの拡充は非常に楽しみです。

今後も各社のサービス拡充の動向をみつつ、最適な証券会社を利用しながらお得な取引を積み重ねたいですね。

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