Ｈｅａｒｔｓｅｅｄ(219A)のIPO新規上場情報

判断の難しい赤字バイオギャンブルIPO。

治療内容は心不全をターゲットにiPS細胞由来心筋球を投与することで、心臓の本来の機能を復活させる。治験結果で効果の程をアピール。

全数公募で売出しなし。親引けもあり。ある程度の期待もあるだろうが、VCジャブジャブ案件で上場後イグジット気配も強い。

初値は上場時の地合い次第で大きくぶれそうで、予想屋泣かせの銘柄という印象。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

慶應義塾大学発のバイオベンチャー。慶大発バイオIPOは最近非常に多い印象。
重症心不全患者を対象とした医薬品セクター。iPS細胞由来の心筋球移植もあるのでiPS細胞関連とも見られそう。

2024年に入ってバイオ銘柄は元気が良く、初値結果も予想よりも好結果が多い。
流れ継続となるかが注目点か？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年10月度、単体予想EPSは-109.09。
想定価格1,110円から計算される予想PERは約-10.18倍。

ロイヤリティ収入低下で売上が減少傾向。
9期目を迎えても赤字を出し続けており、成長期待に懸念あり。

もともと全く財務状況からは判断できないバイオIPOだが、
想定価格の単価が4桁になっているのは気がかりで、低位株でない数字の印象リスクを感じてしまうところか？

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約22.9億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はSMBC日興証券とSBI証券の共同主幹事。

全数公募で売出なし。オファリングレシオは低めの水準。

既存株主は上位陣にVC勢が豊富。ロックアップは「180日 or 1.5倍」と1.5倍解除。
期間によるロックアップ解除は90日ではなく180日と少し長く、180日になるとVC以外のロックアップも解除。

ストック・オプションの未行使残は約100万株。行使価格は553円～683円。
べらぼうな低価格ではないものの株数分程度の売り圧換算はして向き合いたい。

需給面では20億超えのやや中規模は気がかり。
全数公募で売出がないため、ロックアップ解除では早期に売り合戦が予想されることから
1.5倍価格は非常に厚い壁になりそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

赤字バイオでも新薬開発と言うよりかは、iPS細胞活用で、重症患者の回復を狙う。
治験が進んでおり、効果データを目論見書などに出せるのは強みか？

しかしロイヤリティ収入低下の動きを見ていると、
そもそもこの分野の開発が進んで、どれほど儲けに期待できるのか？不透明感も強い。

ギャンブル赤字バイオIPOは、あまり細かいことよりも雰囲気で動意づいたりマネーゲームとなるかが重要で、
吸収金額や単価設定を見ると、少しマネーゲーム要素が薄いのは残念なところ。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

上場日の地合い次第でどっちに転ぶか予想しづらい赤字バイオIPO。
2024年のバイオIPOは運良く注目を集めた銘柄が多く、好結果になっていることから今回もと行きたくなるが、慎重な姿勢も必要。
ということで最終評価はC級評価としか判断できないところ。

ブックビルの最終日まで待ってみても、上場日時点の地合いは読めないが、
参加姿勢はなるべくブックビル後半まで地合いの情勢を見極めつつが良さそう。

これまでのバイオIPOでアドバンテージがある方は、リスク覚悟の同様の攻め方がしやすそう。

上場タイミング的にはそれなりに結果を出しそうなIPOが前後にあって、
同時上場もないことからIPO地合いは好調ムードで船出にはなりそう。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です