アストロスケールホールディングス(186A)のIPO新規上場情報

話題性が重要なIPOで出てきた期待の宇宙ベンチャー。デブリと言われる宇宙ゴミ対策で有名。今後、さらに注目度は高くなりそう。

創業以来赤字継続。毎年50億レベルの赤字を垂れ流している状態。売上はマイルストーン収入的なもので伸びている。バイオとは比較できないが赤字バイオと似たようなギャンブル性もある。宇宙のほうが魅力的という人も多いだろう。

既存株主にはベンチャーキャピタルが大量。しかしロックアップは価格解除なしの180日でひとまず上場後すぐの売り圧にはならない。

ストック・オプションも大量。124円～862円。想定価格720円を考慮すると、行使するには株価上昇を求められそうだが、ある程度では行使するか？

あまり細かいことを考えずにお祭り投資が今のところの宇宙産業への投資方法か？

仮条件発表時に公募株増加
20,833,300→22,169,200株
全て海外募集分の増加の予定。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

ispace・ＱＰＳ研究所に続く宇宙ベンチャーのIPO第3弾。
IPOの中でも宇宙ベンチャーは注目度が高く、今回も注目。
事業内容も問題視されている宇宙デブリ除去で世界的に先を行く企業。

さらに上場日は6月上旬と他のIPOと離れており、間違いなく注目度は高まるだろう。
2024年のIPOは年初から好調で、4月に下り坂になっているので復権のきっかけになるか？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年4月度、連結予想EPSは-127.07で赤字。
想定価格720円から計算される予想PERは約-5.67倍。

現在の業績は数字を見るだけで割安性では測れないIPO。
今後も赤字が暫く続くものと見られる。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約192億（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証グロース市場上場。主幹事は三菱UFJモルガン・スタンレー証券とみずほ証券の共同主幹事。

公募売出比は公募が多く、すでにベンチャーキャピタルなどの出資も多いが上場時には売り出さない。
ロックアップも価格解除なしの180日となっており、公募組も条件としては悪くない。

ストック・オプションの未行使残も多数。
価格帯は最多で291円、800円台の行使価格も多く、想定価格は妥当なところか？

期待度の高い事業なだけに上場時に既存株主やストック・オプションの売り圧はそれほど多く出ないと見たいがどうか？

吸収金額200億レベルだが、宇宙系で注目銘柄となると需要は高そう。

この手の銘柄は機運次第で初値も、その後のセカンダリーも随分と動きが荒れる事になりそうだが、
現時点ではスケジュール面も含めて良い方向に出るのでは？というイメージ。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

宇宙ベンチャーは人気度では間違いなし。また宇宙デブリの除去も話題やニュースを見るだけでスケール感を感じる。
ワクワクする魅力は当然あるので、こういうのを応援しないで何に投資するのか？という単純な想いはある。

業績や、ベンチャーキャピタルからの多額の出資などによる先々の売り圧ばかり見ていては始まらない投資先としたい。
また仮条件発表時に海外募集分の公募株を増やしている点を見ても引き合いはかなりあると見られる。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

宇宙ベンチャー第3弾、その宇宙ビジネスでも注目度の高い分野。
お祭りIPO的な感覚での参加が求められるが、事業内容としては大イベントとしてふさわしい感じ。
最終評価は期待を込めてB評価とする。すでにispaceなどが上場した後なのでA評価になるほど機運が高まるかが微妙なところ。

上場前は賛否両論、いろいろな考察が出てきそうだが、
結局は非常に人気が出て、公募株にたくさんの募集が集まると見ている。

さらに初値でも買いたい需要がまだまだ残っている状況になるのではなかろうか？
とりあえず初値の落ち着きどころがどこか、そしてセカンダリーでも一過性の熱い動きがあるかに注目。

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です