コージンバイオ(177A)のIPO新規上場情報

バイオ案件だが、創薬系ではなく培地とどちらかというと化学セクターでも化粧品系のビジネスに近く感じる。ただ創薬バイオ系へ提供するので関係する部分も多い。

業績は好調で緩やかに増収増益を続けている。それ程成長性はなさそうだが安定している。ただし、成長期待が薄いことを考えると想定価格はやや見込まれている印象。

既存株主にVCはいるものの割合少ない。どちらかというと医療系企業の保有が多いのは好感。また、この分野には珍しくストック・オプションは発行されていない。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

社名にバイオと付いているが化学セクター（医薬品ではない）。
「培地」という培養環境の開発・販売など、販売先にはバイオ関連が多い。

赤字バイオではなく、好業績の化学セクターとしてみられて注目されそう。
上場日も余裕のあるスケジュールで問題なし。ゴールデンウィーク前の最終戦。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年3月度、単体予想EPSは126.89。
想定価格1,840円から計算される予想PERは約14.5倍。

業績は安定的な感じで急成長は望みにくい。
そのため化粧品系の化学セクターを類似として比較したい。それで見ても予想PERでは割安感あり。
2024年が減益予想なので、そこを見られると買われない可能性はあるが、投資家は先を見ると思っている。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約17.9億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場上場。主幹事は野村證券。

売出なしの全数公募。オファリング・レシオは標準範囲。

既存株主にベンチャーキャピタルの保有あるも20万株、全体の5%程度。
上位株主には医薬品系、医療系の会社も多くロックアップも固め。

ストック・オプションの未行使残はなし。

中規模であまり買い圧もでなさそうな雰囲気のため需給面は中立な印象。
初値から高騰という雰囲気にはなりにくそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

「培地」という一風変わった事業でニッチ感あり、化学セクターだが微生物や細胞の培養と考えたら食料品にも通ずるところがあるか？
初値から急成長期待で伸びるというよりは、ややディフェンシブな銘柄として活躍しそう。

業績推移の綺麗なグラフを見ると投資先としては魅力的に映る。40期超えの老舗企業。
やはり短期的な急騰ではなく、じっくりタイプとしてみていきたい。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

総評として短期向けではなく、中長期向けに感じる銘柄。
他のIPOのような成長期待で買われる雰囲気にはならなさそうで、そこを踏まえて評価したい。
想定価格にはちゃんとディスカウント感があるとして、最終的にはB級評価とする。

4月IPOの最終銘柄ということも考えれば、この規模感のIPOにある程度の買いは入りそうであるし、
もし初値が不振でも待っていれば公開価格超えは十分見込めそう。

立ち回り次第でうまくいきそうな銘柄と見ている。値動きよりも自身の評価を軸に置いて行動したいところ。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です