イタミアート(168A)のIPO新規上場情報

お店の野外設置用の「看板」や「のぼり」などをECで販売する。全国各地に「看板屋」は地元密着で見られるがここはECとして全国展開。本社は岡山県にある。

ネットマーケティングから出荷まで全て自社製のシステムで行うことで利便性向上、効率化、短納期、価格競争力を実現。当に商売上手と言った感触。

類似企業は「ラクスル」や「プリントネット」「イメージマジック」などの印刷業が近そうだが、ネットEC系に比べると割安。

上場日もよくとりあえず本来地味系でも注目されそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

セクターは「その他製品」。事業内容はBtoB向けのECサイト。
「のぼり」「垂れ幕」「看板」など店舗運営に必要な大型販促物をネットで売るEC系。

岡山県の企業だが地元で非常に人気があるなど、注目度は高そう。
地方でもネットの力があれば全国区ですごい売り上げが出るというのを証明して上場というのは応援したくなりそう。

上場日も4月上場で単独上場。主幹事東海東京証券が隙間上場狙い系は初値も好調になりやすい。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2025年1月度、単体予想EPSは119.91。
想定価格1,590円から計算される予想PERは約13.26倍。

堅調な伸びを見せている企業で、予想PER的にはディスカウント性は見られる。
地味さもあるので、初値から買いが集まるようなタイプではなく割安放置も考えられるが、
上場タイミングが良いので、一旦の株価水準是正的な上昇が見られそう。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約10.4億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場上場。主幹事は東海東京証券。

売出株式比率26.3%と公募が多め。オファリングレシオはやや高い水準。
既存株の多くは社長とその資金管理会社が持っており、そのうち社長の株が売り出しで放出。
保有株構成を考えるとオファリングレシオが高いのは良い傾向と言えるかも知れない。

既存株主にVC保有ありで11％程度。株数的には12万株。
ロックアップは1.5倍で解除となる、程よいところで処分はしてきそうな状況。

ストック・オプションの未行使残は上場時参入36,600株。行使価格1,000円、1500円。
価格・量ともに適正な内容。

4月単独上場ということで需給面に不安は少ない。
VCやSO、創業者の売出で株主入れ替えの上場になりそうなので、上場後の魅力をどれだけ感じるか？
なかなか見どころがあると思いつつも、岡山本社の印刷業と見られると上場時の注目度はイマイチの可能性も。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

創業25年を迎えるとともに社名に社長の「イタミ」が入っているなど、なかなか地場で活躍してきたと感じる会社の上場。
主幹事東海東京証券というのも含めて、どれだけ上場後に投資家に期待させる雰囲気になるかになりそう。

上場後は「EC販売の仕組み」に期待できるかどうかで判断したい。
本来は地味系と見られて上場時はイマイチだけど、現状だと逆に上場時に穴案件として魅力ありと見られてそうで、
良い会社と思えるが、はからずして上場時初値が買われすぎ水準になるのではないか？と予想しておく。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

主幹事東海東京証券もここはスペック的にしっかりした初値になりそうということでB級評価。
売出株、VC、SOの売り圧を一先ず一掃する形で買われて、そこからどう動くかというところ。
一掃して株主が変われば、上場後の荒い動きも出てきそう。

初値はそういう意味でロックアップ解除の1.5倍を超えて2倍超え、初日の上限あたりも十分行けそうというのが
大方の予想で、当方も需給面による価格水準はそのあたりにまずは落ち着きそうと感じる。

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です