ＳＴＧ(5858)のIPO新規上場情報

東証プロマーケットからの鞍替え上場。プロマーケットへは2019年に上場（3,250円公開価格）。

プロマーケットでは3,250円での売買がいくつかあり、今回の想定価格1,870円はそこからかなりディスカウントが感じられる状況。地合いを見て仮条件は上げてくる可能性あるか？

軽金属系の部品メーカー。電気自動車などでの需要が高く、今後もそれなりに需要はありそう。とはいっても外部環境に大きく左右される業績推移になりやすい。

上位株主にVC保有が残っていてロックアップが1.5倍で外れる。程よいところでは放出しそうな成長期待に乏しい銘柄ということで注意。

IPOらしさのない不人気業種、鞍替え上場だが、しっかりディスカウントしていて、この手の鞍替え上場はここ最近問題なくスタートしている雰囲気強く、とりあえず初値プラスぐらいは見込めそうか？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

非鉄金属セクターという地味系産業となり、IPOの業種の中で注目度では劣るセクター。
また2019年にプロマーケットに上場しており、今回は鞍替え上場。

同じ日には大型のトライアルHDが上場するため、さらに注目度の点では落ちそう。
しかし、小粒IPOなため多少注目度が下がろうが、今のIPO地合いなら穴場IPOとして評価される可能性あり。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年3月度、連結予想EPSは234.46。
想定価格1,870円から計算される予想PERは約7.98倍。

類似企業は基本的に低PERであったり、PBR1倍あたりで放置されている銘柄が多い。
あってないような価格の東京プロマーケットを参考（3,250円）にすればディスカウント感が感じられるが、
結局は想定価格や仮条件が評価の妥当なところなのだろう。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約6.66億（想定価格ベースOA分含む）の小粒IPO。
上場市場は東証グロース市場上場。主幹事はみずほ証券。

公募売出比は半々程度。この手の企業にしては売出が多く感じる。

既存株主を見るとVCの名も多い。グロース上場というのもあり、どれほど成長期待があるのかはよくチェックしたい。
ロックアップは掛かってないろころや、公開価格の1.5倍で解除。
1.5倍以上では利確売り的な動きに注意。

ストック・オプションの未行使残もあり、92,000株全てが行使期間に入っている。
ただし価格が1,800円、3,350円となっていて気にしすぎるような内容ではない。

需給面ではやはり10億以下の小粒IPOである点が良好。
IPO地合いが良いだけに、この需給模様なら狙われる可能性もある。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

非鉄金属で地味で人気が出なさそう。いぶし銀、職人気質といった固い雰囲気のある企業。
如何にも昔の東証2部上場に出てきそうな銘柄が、スタンダード上場ではなくグロース上場になっている。

恐らくEV普及などで車体重量などが課題となっていて、軽金属加工に強い会社への期待感は強いのかもしれない。
上場後すぐに花開く企業には見えないが、どこかで動意づく可能性もあるし、花開かず萎れる可能性もある銘柄に見える。

もしグローバルニッチとしてテーマ性が意識されてくれば面白い動きになる可能性の魅力はある。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

総合評価として地味感が拭えないが、IPOの地合いも良いことから穴場として狙われる可能性あり。
第一印象はC級評価だったが、参加姿勢で問題なさそうということからB級評価に変更。

初値やそれ以降の動きにすぐには期待できるかは短期筋の動き次第だが、
中長期目線で軽金属の需要は今後も継続的にありそうで、なかなか真似できる会社もないと思えるので、今後上場会社であることは有利に働きそう。

思っている以上に大相場を作る可能性もあるが、見た目通り上場後も地味に推移する可能性もある。
個人的にはこういう会社は好きなので、「町工場から世界へ」のキャッチフレーズのように着実に大きく羽ばたいて欲しいと感じる。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です