ジンジブ(142A)のIPO新規上場情報

1998年に設立の前身会社から紆余曲折を重ね、現在は高卒新卒採用に絞った就職サポートサービスを展開。2020年1月に完全にこのビジネスに集中している。

売上利益ともに急成長でIPOらしさあり。吸収金額も小さめで、SBI証券主幹事となれば人気化して初値も伸びそう。

上位株主にはVCの保有があり、ロックアップが1.5倍で解除。IPOの地合いの良さで初値高騰の可能性はあるものの警戒はしておきたい。

地合いの影響は3月下旬のIPOスケジュール次第でもあるので、BB時に再度評価を見直したい銘柄。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

高校生の新卒をターゲットにした就労市場サービス。
企業の変遷はいろいろあるが、今が急成長を遂げておりこの事業に集中している。

少子化もあり若手人材の活用は社会的にも大きな課題であり、このサービスの注目度は高い。
上場日も上場ラッシュの入りの単独上場。地合いも後押しすればかなり上がりそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年3月度、単体予想EPSは155.58。
想定価格1,590円から計算される予想PERは約10.22倍。

成長率を加味すればもう少し評価できそうなところ。
割安感無視の上場後相場になりそうで、この設定なら文句はないだろう。
なお、仮条件は引き上げており約1割アップの公開価格で始まりそう。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約6.39億（想定価格ベースOA分含む）の小粒IPO。
上場市場は東証グロース市場上場。主幹事はSBI証券。

公募４：売出３でやや公募株が多い。オファリングレシオは標準範囲内。

既存株主には約１４％程度をVCが保有。ロックアップは公開価格の１．５倍で外れる。
確実に１．５倍は超えてきそうなIPO地合いなだけに程よい価格ではやや大きめの売りが出そう。

ストック・オプションの未行使残は行使期間が上場後の3月31日から徐々に解禁。上場日には売りなし。
総数、行使価格ともにインパクトとしては報酬として妥当レベルのストック・オプション。

なんといっても10億以下の吸収金額で需給面でも高騰可能性あり。
評価の高い企業が小粒ということでマネーゲーム的な動きにもなりやすい。

さらに主幹事SBI証券で、セカンダリー勢の注目度も高そう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

IPOでも人気の高い就労市場ビジネス。
さらに若年層の労働力不足が謳われる中、高校新卒向けに様々なサービスをしているのは分かりやすく人気が出そう。

業績の伸びの裏付けもあり、上場後も活躍の場が多いと見て魅力ありとする。
特に従来型のポータルサイトや就職フェスも活況な中、高校生向けに教育研修などもあってうまくサービスを包括的にしていると感じる。
リクルートやマイナビなど従来型で随分と美味しい部分を取っていたところから、高校新卒というパイを今後も奪っていきそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

IPOスペック的に初日の上限値段あたり（2.3倍）が標的になりそうな感じでA評価とする。
SBI証券主幹事なので、公募株ゲットにはIPOチャレンジポイントを利用するかどうかを検討する銘柄。

地合いがいいことで高評価にするし、今後も儲かりそうなビジネスと思うが、
上場直後に一旦、過熱感がある相場が出て冷めた後は比較的静かな動きにあるのではと注意しておく。

とりあえずスペック的に初値向きIPOであることは間違いない。

全体考察
総合得点は8点で、私のBBスタンスはA評価です