トライアルホールディングス(141A)のIPO新規上場情報

2023年4月に上場予定も上場延期。約1年後に出直しIPO、これまでの経験上出直しIPOは善戦傾向。

積極的にハイテクを導入するスーパーとして九州から全国に向けて展開。23年連続増収と長期的に成長を続ける。

上場延期で価格設定が抑えられたが、他の上場スーパーなどと比べるとディスカウント感あり。規模感は大きめのため需給判断が難しいが、初値が駄目でもいずれ公開価格は超えるような銘柄として判断されそう。結局、参加しやすい。

既存株主に北尾吉孝さんの名（所有9位）あり、敢えてなのかロックアップに関する表記なし。それ以外のロックアップはほぼ100％レベル。

第一印象の評価は出直しで安くしたことでBにしたが、3月周りのIPOの状況によって評価を下げる可能性あり。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

2023年4月に上場を予定していたものの地合いの急変を考慮して延期に。
約1年後の出直し上場となる。これまでのIPOを見ていると出直しIPOは成功例が多い。

九州発の先進的スーパーで、徐々に伸ばしていることや生活に密着した事業ということで注目度は小売業でも高そう。

上場日は同時上場となったものの、上場ラッシュのトップバッターということでタイミングは悪くない。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年6月度、連結予想EPSは104.26。
想定価格1,550円から計算される予想PERは約14.87倍。

既上場の大手スーパーに比べても指標的に割安。
昨年上場予定時は想定価格2,000円、仮条件1,800～2,000円だった。

今回は想定価格1,550円から仮条件1,600～1,700円と強気になっているが、
それでも昨年上場予定の価格を見ると納得の公開価格。

価格面からはオススメの状況と評価したい。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約407億（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証グロース市場上場。主幹事は大和証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の共同主幹事。

売出株式比率7.2%と僅かで、ほぼ公募となっている。また海外へ約35％を配分する予定。

ロックアップはほぼ180日で掛かっているが、ロックアップなしがSBIホールディングス会長の北尾吉孝氏。
敢えて外すことで目立ちたいのか？

ストック・オプションの未行使残は約200万株と多い。上場時参入は758,000株。
ボリュームは大きいものの行使価格は1,150～1,350円とある程度妥当なSO報酬の状況。
株価には影響を与えそうなものの、妥当なレベルとしたい。

400億を超える規模感が懸念されるところだが、IPO地合いは絶好調であり、
割安感もあるので熟しそうと判断。
グロース市場でなくプライム市場上場なら余裕だったところだが、グロースだからこそ上場後も荒れる可能性。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

基本的に初値視点では小売業セクターは不人気にはなりやすい。また景況感の影響を大きく受ける。
景況感の影響を大きく受けるという意味では、上場をずらして絶好期のタイミングとなっているので初値から上がる要素が増えた印象。

先進的スーパーとして、既上場銘柄とは少し違う点も評価できる。
上場して知名度が上がれば次世代スーパーとして、メディアなどでも取り上げられることも増え、まだ成長余地はあるという印象。
23期連続増収も高評価要因の一つ。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

小売業セクターで大型IPOとなれば、普段であればC級評価でお茶を濁すことが多い中、
トライアルHDは延期したことで、しっかり上場したい納得感のなかの船出で加点できると共に、
明らかに地合いが良くなって後押し材料が多い。B級評価として積極的な狙い銘柄とする。

日経平均もIPOもイケイケの状況が2024年に入って続いているが、
このトライアルHDも3月上場ラッシュ（今年は過密感強い）を盛り上げてくれるような華々しい結果に期待したい。
目安的には2,000円がターゲットにはされやすそう。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です