SOLIZE(5871)のIPO新規上場情報

公募株は全数自己株式の処分。2024年のスタートIPOになりそう。

もともと自動車産業に強みのあるCADデザイン企業。金型などの作成をしていた。現在も売上の4分の1程度をホンダに頼っている。

最近は３Dプリンタが一般的にもなっており、その活用も含めて盛り上がりを見せている。

スタンダード上場で成長性もやや弱い。その分、想定価格など若干控えめになっていたり、売出IPOではないことから、2024年IPOの第一弾としては好感を持って受け入れられそう。

とりあえず初値プラスの確率が高いと見て、初物分を加点してB評価という第一印象。微増でも満足したい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

2024年の第一号IPO。新規承認が昨年ということもあり、英文字コードに変わる前の最後のIPO銘柄。
2024年に入り株価は急上昇しており、勢いに乗ってIPOも買われる可能性もある。

スケジュール面では注目度は高くなりそう。
一方、IPOはあまり日経平均などとは連動しない点では注意。それでも初値は注目度高そうだが・・・。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年12月度、連結予想EPSは130.94。
想定価格1,380円から計算される予想PERは約10.54倍。

業種は３Dプリンタということで少し技術的に期待度もありそうだが、
スタンダード上場の利益横ばい銘柄という取り扱い。

成長性は加味しにくいところで、妥当な価格設定となっている。
なお、仮条件はやや上げてきており市場の状況を鑑みてやや高値売りに転じている・・・。

予想PBRで1倍以下というのは上場後早速、水準訂正的な買われ方があってもおかしくない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約15.7億（想定価格ベースOA分含む）の中規模IPO。
上場市場は東証スタンダード市場上場。主幹事は大和証券。

全数公募で売出なし。オファリングレシオは標準範囲。

VCの出資分含め、全株にロックアップ180日が掛かっている。

ストック・オプションの未行使残は1,192円～1,540円。最大割合は1,192円ですでに行使期間内。
こちらもべらぼうに安い価格でない点は評価できるか？

このところのIPOの初値結果の傾向を考えると、
売出０やロックアップが価格解除なしでスタートさせるという内容は評価されそう。
安心して買いが入りやすいと見て需給面は良好として評価。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

やや地味感もあるCAD企業。３Dプリンタ活用など新しい技術もあるが、特にここが成長高い状況ではない。
スタンダード上場らしい安定的な屋台骨株として上場後も推移しそう。

業績は横ばい（緩い成長）ながらも、配当もあるしバリュー株として安心材料も多い。
IPOの公募価格では貰って損はない銘柄として評価されそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

若干地味な印象のあるIPOだが、そこに2024年第一号案件という話題がちょうどいい形で重なった内容。
嫌われやすいイグジット感もないことから好調な滑り出しをするとして最終B評価。

テーマとしては2024年の株高が上場日まで続いているかが分からないが、
勢いのある中、IPOでも比較的PBRで割安に見える株の登場で買い手が付きやすい状況になるかどうか？

2024年のIPOを占う意味でも期待したいところ。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です