yutori(5892)のIPO新規上場情報

初値視点では不人気の服飾小売系IPO。販売チャネルがネット中心で成長力があるのが売り。親会社ZOZO。約半数を売り出すも、ZOZOでも多く売っていることから関係は続きそう。

従来の服飾小売なら基本的に初値視点ではパスだが、ここがどう評価されるかは見ものかもしれない。ワンチャンスあるかもしれないと思いつつ、結局はそのワンチャンスは初値ではなく、上場後注目されれば伸びていくような銘柄に見える。

もとからファッションと縁遠いと感じている人は余計なことに参加せずパスが賢明に見える。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

今年の最終上場になる予定。一応、最終上場はアノマリーはあるものの注目度は微妙な服飾小売。
基本的にIPO初値視点で見ると服飾小売は期待薄だが、ここはZOZO関連で一部で人気の可能性も。

年末は市場参加者も少なくなるため、一部で人気程度で十分と思えるが、判断が難しいところ。
服飾小売ながら中立レベルの注目度と見る。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年3月度、単体予想EPSは143.15。
想定価格2,510円から計算される予想PERは約17.53倍。

アパレルチェーン展開しているところと比較するとかなり割高感がある。
ということでECの成長企業としての評価がされていそう（ZOZO比較がメイン？）。

気持ちは分かるが、上場時に市場参加者から同様にEC成長企業と評価されるかはというところ。
売上の伸びは立派なので、上場後一度決算を見極めてからという層が多そう。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約16.4億（想定価格ベースOA分含む）の中規模IPO。
上場市場は東証グロース市場上場。主幹事は大和証券。

売出株式比率85.1%とZOZOの放出IPO。オファリングレシオも高め。
上場後はZOZOの子会社から外れ関連会社となる。ZOZOは50％以上を売り出す。

ベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない。
ロックアップも大株主に180日掛かっており、上場後は特段大きな売りはなさそう。

ストック・オプションの未行使残は144円で138,600株。行使は2025年以降。

上場後の売り圧は一旦少なめで、やはり上場後翌年にかけて決算を見ながらという雰囲気が強い。
それを先回りで上場時に手を付けるかで需給模様が変わりそう。

需給面はそこそこといったところで中立判断。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

服飾ブランド系は人気化に関しては判断が難しい。ファッション（流行）というように移り変わりがあるものなので、
人気化も極端になると予想。上場時時点ではIPOの地合いも悪く、あまり人気化しないのでは？という判断。

一方で、上場前の売上の伸びも素晴らしく、服飾ブランドとしてZOZOから脱皮して上場は見ものと言えそう。
ユニクロなどの躍進で、あまり特徴のない機能性ファストファッションばかりの世の中、時代は回ることを考えれば、
服飾ファッションブランドが賑やかになってくるころはそろそろかと感じる。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

初値評価視点だと、今年最終IPOになりそうだが怪しいという評価で最終C評価とする。
下手に期待感が出るものの、結局服飾小売IPOは上場時様子見が多いという結果を予想。

色々な評価点から見ても中立要素が多く、結局、一部で来るかもしれない期待感を当てにする初値状況になりそう。

なお、上場後の初の決算あたりから動きが出やすい銘柄とも感じるので、
服飾小売比較ではちょっと割高感もあるが、ECとみて伸びに期待する人は公募株や上場時で参入するという人が多そう。

私はファッションに疎いと自負しているので、苦手なものに敢えて手を出さないかなという雰囲気。
公募組はどこかで出口はありそうなので、C級評価でもIPOファンなら申し込んで良いとも感じる。
「ゆとり株」手に入れたというのはなんとなく時代に乗った気もするので好感。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です