ヒューマンテクノロジーズ(5621)のIPO新規上場情報

IPOで人気のクラウドソフトウェア導入系。勤怠管理「KING of TIME」を中心に低コスト・高効率のサービスを提供。そこそこ人気の高い業種として知られるが、最近は数多くの上場企業も出てきてやや飽きられ気味。

売出も多めで、規模感も中規模でややに持たれ感があり、12月の上場ラッシュではあまり人気にならない可能性を含む。割安感も感じないため第一印象では判断保留の微妙レベル。

通常時合いでは全然問題なく初値が上がるようなIPOスペックではあるため、地合いの動きにも注目して最終判断を下したい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

クラウド勤怠管理システムではシェアNo.1の実績がある模様。
働き方改革など社会的テーマ性は少しあるとみて注目されそう。

12月IPOラッシュの中では比較的注目されやすい業種としてみたい。
クラウド管理システム導入系は一昔前なら花形なときもあったが、少し既視感のある状況にもなっている。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年3月度、連結予想EPSは38.96。
想定価格940円から計算される予想PERは約24.13倍。

成長見込みが加味された価格設定で割安感はない。
公開価格が不当に安いなんて報告されていた時期もあるが、この価格設定を見ても安いとは感じづらい。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約35.5億（想定価格ベースOA分含む）の中規模IPO。
上場市場は東証グロース上場。主幹事はみずほ証券。

売出株式比率69.6%とやや売出が多い。オファリングレシオも高めの水準。

ベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない。
またロックアップがきつめで価格解除なし、半年は1年程度のロックアップが掛かっている。

ストック・オプションの未行使残はなし。

今回の売出分の吸収規模は大きいものの、その分ロックアップが固かったりストック・オプションの未行使残もなく、
上場後の追加売り懸念は乏しい。

海外への配分も予定していることを加味すれば多少需給はタイトになりそう。

需給面は中立レベル。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

クラウド管理システムはそこそこ人気がある。またサービス名にあるように「KING of TIME」とタイパ的イメージがあるのは現代的。
しっかりと時間効率を上げるためにはシステム導入が望ましいという世の中の需要はあると思われる。

先行投資で減益傾向なものの売上は増収が続いており、海外進出を目論むなど前途は明るめに見える。
他のIPOよりは期待感が醸成されそうな内容だが、それが上場時の買いインパクトになるかは微妙なIPO地合い。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

B級評価にしたいところだが、現状のIPO地合いを考えると強気になれないことから最終C評価とする。
他のC級評価のIPOに比べると、初値視点で見ても上がる要素は多めの正統派IPOという印象。

売出が多いものの、そこまで需給面が悪いわけでもなくVCなどのイグジットの気配もないことから
多少は買いが入りやすい環境づくりは出来ているというところ。

一方で成長期待から割高感もあるので、地合い次第で初値や上場後伸び悩むようなら、
株価が先絞りの懸念点はありそう。12月上場ラッシュで横比較しながらなら一歩抜けたC級評価としたい。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です