雨風太陽(5616)のIPO新規上場情報

インパクトIPOという名前を使っている通り社会的インパクトも経営指標の一つに考えている会社の上場。NPO法人からIPOは初めてということで話題性は高くなりそう。

メインのサービスは「ポケットマルシェ」という生産者と消費者を直接繋ぐプラットフォーム運営。

業績は連続赤字、流通の形態をアップデートする事業は他の既上場銘柄にも見られるので単純に数字だけ見ると厳しく評価せざる負えない。ここは社会的インパクトも経営判断材料になっていて、それを投資家がどう評価するか？

上場時は話題を呼び、吸収金額の小ささ、見た目の価格帯の買い易さなどで初値は伸びそうな雰囲気。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

NPOとして創業した企業が上場するインパクトIPOと銘打った初物感あり。
IPO初値視点では初物感は非常に大切で話題性を呼ぶことで盛り上がるか？

社会の向上に寄与するインパクト投資という言葉も出てきているぐらいなので、
注目度の点では高評価しておきたい。

12月の中盤にありながら同時上場はないのも注目度の点ではプラス。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年12月度、単体予想EPSは-105.03で赤字。
想定価格840円から計算される予想PERは約-8倍。

現状黒字化の見通しもなく、従来どおりの指標だけではとてもじゃないけど評価できない。
割安性をみると投資なんて出来ない銘柄。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約5.02億（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証グロース上場。主幹事はSMBC日興証券。

公募売出比は５：１レベルで公募が多い。オファリングレシオは標準レベル。

筆頭株主がVCなのは気になるところで、ロックアップが1.5倍で解除なため
売れる状態になればイグジットはされそう。

ストック・オプションの未行使残は800円～3,060円と価格帯が高く想定価格は安くても上場を目指したか？
このあたりの価格帯は公募で買える安心材料になりそう。

吸収金額5億レベルで話題性があるので需給面では問題なし。
どこまで買えるか？という高値を見極める状況になりそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

インパクトIPOという部分が話題性を呼び上場時は人気化しそうだが、少し冷静になるとやっている事業はそれほど新規性は感じない。
生産者と消費者を直接つなぐECサービスは伸び盛りであるし、地方創生ビジネスも魅力はありそう。

人気化という指標では、上場後短期的に人気が出るけど話題性が過ぎれば沈んでいきそうな銘柄。
沈んだ後に再復活できるかは、事業の社会的なインパクトが世の中に受け入れられる時か？
応援したくなるような会社ではある。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

総合評価はB評価とするが、初値に関しては短期的な注目度の強さからA級レベルの結果にもなりそうな銘柄。
吸収金額も5億円程度なので需給面で見ても初値高騰要素を含んでいる。

特に上場銘柄数が多い12月は、初値は内容よりも人気を集められるかに掛かっているところもあるので、
こちらはその条件に合致する。いわゆる注目銘柄として狙われやすい。

もちろん予想通り高騰しない場合もありつつも、さすがに公募割れするようなIPOスペックにはなってないので安心して参加できる。

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です