魁力屋(5891)のIPO新規上場情報

京都発祥ラーメン。上場時全国に140店舗程度展開する。上場後は700店舗を目標に拡大を目指す。

ラーメン店のIPOは「ギフト（町田商店）」「力の源HD（一風堂）」などが記憶に新しく、いずれも上場後、状況は良い、株主優待にも期待がかかる。

想定価格ベースでは割安感があるので、吸収金額がラーメン店に関しては大きく感じるが、十分な買い需要が見込めそう。

初値も多少期待、初値がたまたま伸びなくても中長期でいろいろ期待できそうなことから比較的安心して買えそうな銘柄という第一印象。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

スタンダード上場のラーメンチェーン外食小売業。
IPO視点では本来なら注目度の薄い業種だが、最近のラーメンチェーンは人気。

「魁力屋」の知名度はわからないが、似たようなIPOだった「ギフト」「力の源HD」の例を参考にすると、
ここも期待されて注目度は上がりそう。なお、私はここのラーメン屋は10年以上前から知っているので知名度ありそう（看板でかい）。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年12月度、単体予想EPSは81.44。
想定価格1,290円から計算される予想PERは約15.84倍。

外食小売が好調の中、同業種比較では割安感がある。
需要があることを見込んでか？仮条件は上げてきたがポジティブに受け取りたい。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約24.5億（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証スタンダード上場。主幹事は大和証券。

売出株式比率17.2%と公募が多い。
既存株主は個人が細かく持っている状況で各店舗のオーナーなどが保有か？一蓮托生感が良い。
上場したらファンが持つべき株で株主が一緒になって成長を期待する動きであって欲しい。

ベンチャーキャピタルの保有は見当たらない。
ロックアップも180日でカバー率100％と固い。

ストック・オプションの未行使残は473円～720円で行使可能なものもあるが規模は普通。
ストック・オプションとしては妥当な内容となっている。

ラーメンチェーン店の上場で吸収規模20億超えは少し大きく見えるが、
人気は高そうで買い需要も大きい。需給面は問題ないと見る。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

もともと外食小売はIPOでは不人気になりやすいセクターとなるが、ラーメンチェーン店は若干別物。
近年のラーメンブームも後押しし、上場時も上場後も人気の高い銘柄が多い。

全国に店舗を増やしているため株主優待も期待できそうで、根強いラーメンファンからの後押しもありそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

本来、この手の小売業IPOは不人気として微妙なC評価としていることが多いが、
ラーメンチェーン店は少し別次元な印象。人気が高く想定価格に割安感もあるので最終B評価とする。

仮条件も上げてきたことで、初値では一時的に2,000円あたりをターゲットにしそうな状況。

2023年の後半に入ってIPO情勢は通常モードとは雰囲気が異なっており、
ここのようにしっかりとした売上・利益があって割安感がある、じっくり固そうな銘柄が人気。
絵に描いた餅ような成長期待銘柄よりも、目の前のうまいラーメン銘柄の方が好まれる社会情勢なのだろう。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です