バリュークリエーション(9238)のIPO新規上場情報

SBI証券主幹事。グロース小型で業種業績もそこそこというここ最近のIPOが微妙すぎたのでまともなスペックのIPO登場というところ。

マーケティングDX事業とし、その事業から得られたノウハウで業界の新しいサービスを作ることも模索。その例として不動産DXの解体の窓口がある。

今後も同じような方向性で新しいサービスを作っていきそうだが、現状で分野の見込みなどは見られない。

IPOとしてはそれなりの内容なので初値はプラスになりそうだが、成長性期待は感じづらいか？その分、成長を期待した価格設定にもなっていない。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

主幹事SBI証券。連続公募割れもあったが、最近出してくるIPOの数が多い。
ちょっと悪いイメージが付いてきているが、ここは銘柄としては問題ない。

DX関連も上場数が多すぎて一時期の注目度はないと見て良い。
11月のIPOは数が少なく、周りに上場もないのでスケジュール面では好感。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年2月度、単体予想EPSは91.87。
想定価格1,790円から計算される予想PERは約19.48倍。

業績は堅調。同業種比較からすると妥当な価格設定。
IPOの地合いも良くなく、強気でない状況が続いている。
ただし、初値も成長性を加味した好結果にはならない地合い。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約6.23億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はSBI証券。

売出株式比率65.3%と１：２程度で売出が多い。オファリングレシオは高めの標準レベル。

ベンチャーキャピタルからの出資はあるが少なめ。
ロックアップも価格解除なしの固めの180日。ただし、個人株主には掛かってない状況。
ロックアップが外れている個人は会社関係者ということで、すぐに売るとは考えづらいが警戒は必要。
（特にSBI証券主幹事IPOはこういいった部分のケアはあまりしない）

ストック・オプションの未行使残は196円で136,840株。行使期間は翌年から。

全体的に上場後すぐの売り圧は少ないが、3か月後、半年後で売り圧と考えられる要素は存在する状況。

小型で成長期待のグロースIPOなので、とりあえず上場時の需給は良好。
プラスはほぼ確定だが、それほど初値が伸びない現状の中でどこまで行けるか？

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

マーケティングDX企業がメイン。そこから蓄積されたデータを元に自社サービスとして作るのが得意。
好例が不動産DX事業の「解体の窓口」ということになっている。同様の手法を他業種・他サービスにも展開したい模様。

DX関連だけでみると、もはやレッドオーシャン化しており単純なDX支援では埋もれて成長期待は不透明。
ここのように何か他者とは違ったアプローチがないと市場からは評価されにくくなってきている。

ここは上場時からPERなどで過大評価しておらず、一時期のDXコンサル系が謎に高PERで出てきて沈んでいる状況とは違う。
ある程度評価されて初値そこそこ上昇から、後は実際に新規サービスの成長具合で長期的な株価が決まりそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

全体的評価でB評価が妥当なIPO。全体を通して悪いところは少ないが、かと言って過大評価もしにくいIPO事情。
特にSBI証券主幹事ということで、上場時の参加者の「雰囲気」次第で初値は大幅にぶれそう。
スケジュールを考えるとその点では11月はIPOの数が少なく、ここは目立つので予想よりも好発進の可能性を含む。

普段のIPO地合いなら気持ちよく2倍付近を目途に初値予想を考えていたが、
今の地合いを考えると、予想よりも好発進期待で2倍付近が精一杯ぐらいで見ておきたい。
3,500円ぐらい行けば大健闘の初値。1.5倍付近の2,700円程度で始まってもおかしくない。

予想屋泣かせの大きなブレがありそうとしておくが、いずれにしても初値プラスは確定的なので全力参加。

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です