売れるネット広告社(9235)のIPO新規上場情報

厳しい状況のアドテク関連で直近業績も下がっている中での上場。かなり目線は厳しくなりそう。

主要な相手先に「マナラ化粧品」「サジージュースのフィネス」。ネット広告で良く見るのでどういうのを手掛けているのか良く分かる。

ちょうどアドテクのブリーチが主要顧客依存の問題を露呈して株価が下がっており印象が悪い中の上場。

ホームページのランディングっぽさやステマ規制導入など、いろいろと逆風のある中の上場は何故今感？しかも想定価格も割高に見える。

第一印象がかなり悪いが、規模感など含めて初値は需給でなんとかなるかもしれないので、大手のレポートなども参考にしながら、申込み意欲が湧く良い部分を探していきたい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

今や少し古い業態かとも感じるアドテク関連（ネット広告）。
そこに社名からして特徴のある会社の上場。流石に今の状況だと悪目立ち感も。

10月後半は今年はそこそこIPOが多い中、連続上場のスタート日。
スケジュール面では少し救われているが、それでも他のIPOと対比されると分が悪い。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年7月度、単体予想EPSは45.55。
想定価格1,040円から計算される予想PERは約22.83倍。

仮条件は上限でも約12.5%引きと超弱気。人気薄を露呈。
もともと成長鈍化で割高感があった中の引き下げなので、この程度下げたぐらいでは全く評価できない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約10.7億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は東海東京証券。

公募売出比は半々。オファリングレシオは高めの標準範囲。
目立たないレベルで売出量や放出量を調節している印象。今は無理でも早くイグジットしたいという思いが見え隠れしている。

既存株主にベンチャーキャピタルは見当たらない。

ストック・オプションの未行使残は35円～622円、上場時参入は226,940株で35円が多く、ここは気になる部分。
この手のIPOのストック・オプションは問答無用で行使して売り圧になる気配。

吸収規模は大きくないが、いまいち不安感から買い手がつかない印象。
今のIPO地合いを考慮すれば、この規模でも厳しいという見方が正しそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

ネット広告全盛期ならバブルに乗って上場でも買われてかもしれないが、すでに業績が落ちている中、滑り込み上場。
ホームページを見てもいろいろと突っ込みどころが多く、上場後も「良く上場できたな」とツッコミが入りそう。

特徴は徹底的なABテストによる広告効率化。
こういう会社は上場しないほうが自由に出きていいのではないか？とも感じるので、上場会社としての魅力は感じづらい。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

IPO地合いが悪く仮条件を引き下げてきたが、それでも怪しい雰囲気からは手を付けにくい状況。
第一印象からD評価でパスとしたが、仮条件引き下げでもパスを維持してD評価とする。

主幹事東海東京証券でこの手のIPOをうまく持ちこたえさせることができるかも疑問。

一応、全体的なIPOスペックを眺めると巨額のイグジットIPOとは傾向が異なるので、
なんとか需給で見てそれなりの初値を付けると大手レポートでは評価されている。
あまりイメージが良くないけど初値は頑張るかもぐらいが大手の評価。

ただし、個人での評価からすると気持ち悪い感触のまま参加する気にはなれないので、
IPOに参加したい欲、公募ゲットしたい欲を抑えて我慢できるかがテーマか？

全体考察
総合得点は3点で、私のBBスタンスはD評価です