オカムラ食品工業(2938)のIPO新規上場情報

デンマークからサーモンの養殖技術を取り入れ青森県で国産ブランドとして販売。直近の業績は急成長中。水産物のアジア圏での根強い需要を感じる。

主幹事野村證券で価格設定は高いとも安いとも言えない妥当なところ。地味な食料品セクター、スタンダード上場では初値に不安感が出るところだが、意外に人気があるかも知れないし判断が難しい。

サーモンを含め魚は好き嫌いが大きく分かれそうで、これはもう好きか嫌いかで参加姿勢を考えれば後悔しないのでは？という第一印象。

上場ラッシュ、同時上場での不人気になりやすい地味銘柄ということで初期C評価にしたがB評価にかなり近いつもりで付けている。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

サーモンの養殖業。食料品セクターでスタンダード上場、一般的には注目度が低い部類。
とはいえ、海産物好き、サーモン好きといったファン層は一定数いそうでニッチ的注目があるか？

上場日はラッシュ後半、同日上場ありと初値には不利な状況。
注目度の点ではマイナス評価にしておく。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年6月度、連結予想EPSは163.78。
想定価格1,680円から計算される予想PERは約10.26倍。

業績の伸びは好調。しかし織り込み済みの価格設定にはなっている。
一時的な需給バランスの崩れによりサーモン価格の高騰で業績が良かったとして予想は控えめ。
仮条件も引き下げることはなかったので、この程度は評価して欲しいということなのだろう。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約20.2億円（想定価格ベースOA分含む）の中規模IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事は野村證券。

全数公募によるIPOは好感。

既存株主にはベンチャーキャピタルの名は見当たらない。
社名にもなっている「オカムラ一族」の持ち株が多い。さすが水産業。
ロックアップは価格解除なしの90日。

ストック・オプションの未行使残は600円、454,020株が上場時参入。
残りの行使価格は2,090円なので、この程度の評価は十分できるつもりでいそう。

吸収金額20億は今のIPO地合いでは地味系を踏まえると気になるところ。
初値からという雰囲気は感じないところ。需給面は中立とする。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

日本の他、アジア各地、世界でも人気の高い魚「サーモン」で養殖技術で成功、また青森ブランド化を目指している。
水産業が頑張って投資して成功したところがあるので、上場して報われて欲しいという応援したい魅力がある。

想定価格はやや織り込み済みではあるが、創業者のイグジットもして欲しいし、
その後も伸びて欲しい。養殖サーモンの消費も伸びれば三方（企業、投資家、利用者）良しのサービスとして期待。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

これはもうサーモン好きか？魚好きか？興味ないかでスタンスが分かれそうな銘柄。
好きであれば、このスペックであれば参加してあげようという気持ちになるし、
嫌いもしくは興味ない方であれば、地味な水産業xスタンダード上場でパスなのかも知れない。

初値視点で見ると地味であったり、同時上場など公募付近の決着になりそうな要因があるが、
中長期で見ると比較的公開価格を上回る安心感と、セクター的にディフェンシブ銘柄とも捉えられるので長期保有に向く。

私は魚好きなので、普通に参加させて頂く予定。
最終総合評価はBよりのC評価とする。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です