オートサーバー(5589)のIPO新規上場情報

SBI証券主幹事。ビッグモーターで話題の中古車系事業。

地味な中古車オークション代行サービス。売出株式比率80％と売出多く、既存株主の現金化感が強い。その上、業績横ばい傾向で特に想定価格に割安感を感じないので、規模感の大きさからすると人気なしで初値苦戦しそう。

第一印象では公募参加組にメリットらしいものが少ない中、9月下旬の上場ラッシュ・同時上場など重なるので注意したい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

激震の走る中古自動車業界産業の上場。一番悪いイメージの中の上場は流石に良いとは言えない。
こちらはオークション代行サービスなので間接業的ではあるが、しばらくこの業界の混乱は続きそう。

9月末の上場ラッシュ中で同時上場にこのような銘柄が出てくるのは、
さすがに間が悪いと言わざる負えない。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年12月度、単体予想EPSは171.62。
想定価格2,670円から計算される予想PERは約15.56倍。

業績横ばいでこの価格設定ではお得感は感じない。
売出の多い換金上場を考えると、もっと安くしないと今の地合いでは難しいのではないか？

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約61.4億円（想定価格ベースOA分含む）のやや規模の大きいIPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事はSBI証券。

既存株主にはベンチャーキャピタルの名は見当たらないが、資金管理会社の売出イベント。
売出後も大多数の株を保有することから先々の売り圧力も高そう。
ロックアップは価格解除なしの180日だが、株価の先高感がないので意味はなく、半年後以降の売出が怖い。

ストック・オプションの未行使残も500円価格で約92万株。
こちらも確実に行使してきそうなレベルの質と量。

売上横ばいのスタンダード上場で50億を超える吸収規模。
そこにあまり買い需要を喚起させる内容がないとすると需給面では売り優勢と見る。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

中古車自動車関連は世間を賑わせており、商売感覚からしても異常。
今、関連企業が換金目的をにおわせる上場をするというのは心象が悪すぎる。

業種も特に新規性があるビジネスではなく、似たようなビジネスの中で登録手数料が無料など手数料競争が売り。
新しい技術やサービスが売りなわけではなく、先行き不透明感が強いため魅力は薄いと言える。
相当安い株価であれば割安株として買うイメージが付くかも知れないが、想定価格ではそれも感じない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

仮条件発表後のBBスタンスを総合的に評価して、第一印象のCからDに変更する。
買える部分というところが見出しにくくパスで良さそう。

業績・業種共にIPOらしいところがなく、ファンドのイグジットではないが創業者のイグジット案件。

上場タイミングも最悪期というぐらいイメージが悪く、それが上場ラッシュ中に入ってくると
不人気が増長されてしまい公募割れの確率が高まりそう。

せっかく上場するのだから、もう少し評価されるようなタイミングや内容を持って出てきてほしかった。

SBI証券主幹事ということで、当方の評価が悪くても自信を持って勝負する人は出し抜けるチャンス銘柄。

全体考察
総合得点は3点で、私のBBスタンスはD評価です