ファーストアカウンティング(5588)のIPO新規上場情報

グロース・小型・AI系と初値高騰スペック銘柄。しかしながら、このところAIだから注目されて急騰するようなこともなくなったIPO地合い。

既存株主上位にVC勢が並び、ロックアップが1.5倍で解除されることから警戒されて、そこまで買いが続かない可能性も。

業績の成長力は感じる。黒字化見込みでの上場で如何にもベンチャーIPOらしさあり。

会計など計算系は人力よりも機械が得意とする部分。「仕事がAIに奪われる」と言われ徐々にAIが浸透していく時代になっているが、真っ先に導入が進みそうで分野としては期待。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

会計分野のAIソリューション業、特に会計などの分野はAIが得意としてそうで、
AIが人に変わって労働を奪う市場。AIということで市場の注目度も高そう。

上場日は上場ラッシュに入っていて同時上場もあるが、
他のIPOに比べるとここが一番注目されそうで、強弱が付いて後押しされるか？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年12月度、単体予想EPSは22.52。
想定価格1,040円から計算される予想PERは約46.18倍。

高い成長力がみられ、この程度の価格設定は妥当な範囲。
ようやく黒字化した企業を数値上の割安面で計ること自体がナンセンス。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約6.89億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は大和証券。

既存株主にはベンチャーキャピタルの名が並ぶ。
また上位株主のロックアップは全て1.5倍で外れる要件があり警戒感は強そう。

ストック・オプションの未行使残は上場時参入664,000株。
こちらも数が多く見えるが、やはりロックアップが外れるVC勢の動向の方が気になる。

需給面では初値では良好と言えるが、上場後の売り圧は大量でかなり意識されそう。
高値圏での警戒感はかなり強いと見られる。まさに鉄火場になりやすい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

現在のIPOの花形業種のAI系。ここはトータルコンサルではなく会計特化型。
ここのように特化してくれたほうが他社との差別化が付いて分かりやすく注目されやすい。

会計分野はAIが得意とするところというのは容易に想像がつき、業績も付いてきている。
今後もAIが仕事を奪っていく分野で活躍するAI企業として知られそう。
同業種の参入で競争が激しくなる前にNo.1戦略で定番サービスになりたいところ。

ビジネス的にも一度契約したら、なかなか解約なりするのが難しいサービスなので解約率も低そう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

9月で唯一A評価できそうなIPOはやはりAI系といった状況。
このところAI企業もそこまで初値伸びないところに、ここはロックアップ解除で売り圧が強烈なだけに警戒感がどうなるか？

過密スケジュールの中では、人気や注目に強弱がつきやすく「強」になりやすいこちらは初値高騰期待。
仮条件上限の1.5倍価格は1,980円となり、2,000円以上の初値となりロックアップ解除は確定するとして、
そこからどこまで我慢比べのチキンゲーム様相になるかがテーマになりそう。

今の地合いだと2倍は難しく2,000～2,500円あたりの初値スタートになるか？

全体考察
総合得点は8点で、私のBBスタンスはA評価です