笹徳印刷(3958)のIPO新規上場情報

公募株は自己株式の処分。

老舗の印刷会社の上場。IPO的には地味すぎて不人気確定。主幹事東海東京証券でスタンダード上場、売上も低下傾向なのを見ると、今上場する意味が問われる（むしろ上場会社で衰退している会社の動きに近い）

価格設定は妥当な割安感があるが、それだけでは買われる理由にはなりにくく、9月で過密スケジュールとなると注目度がなく閑散相場になりそう。第一印象では初値に期待できない。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

東証スタンダード上場の老舗印刷業。斜陽産業で注目度は薄い。
社名もレトロな昭和臭あり。せめて何か新しい事業でも進める中での上場なら良いが、
その気配もないのでIPOらしさも全く感じない。

製紙会社も持ち数も多く売出割合の高さを見ると換金上場の気配。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年6月度、単体予想EPSは64.46。
想定価格710円から計算される予想PERは約11.01倍。

不人気から仮条件を上限600円まで引き下げ、PER的には割安感は感じづらいが、
PBRでは1倍割れどころか、0.5倍割れレベル。IPOではない視点ならば買いやすい印象はある。
75期積み重ねた資産を安く買える？今から買っても不良資産？

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約14.3億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事は東海東京証券。

既存株主にベンチャーキャピタルなどは見当たらない。
杉山一族の保有が多く、その他は製紙会社や印刷会社など企業は半分程度売り出すところが多い。
ロックアップは価格解除なしの180日と固め。

ストック・オプションの未行使残はなし。

上場後の売り圧は感じづらいし、公開価格にも値ごろ感があるのだが、
10億レベルの吸収金額を支えるような初値買いがあるかどうか？

不人気のレベルを考えると、需給面では不安材料も多い。
公募ゲットで初値で売って儲けようとするのは難しそうな銘柄。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

印刷業というネット・デジタル時代の斜陽産業トップとも言える会社。実際の業績も減収が続き厳しい。
業種自体に期待するのは難しいところ。IPOにあたりもう少し老舗印刷業だからこそできる新規性に期待したがそれもなし。

目論見書をみても淡々と会社の説明がなされているだけで、魅力を煽るようなポイントも感じられない。
決してこういうIPOが嫌いな訳では無いが、評価対象として他のIPOと横比較などすると残念な状況。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

不人気IPOが過密スケジュールに入ってくると初値は厳しいか？というところ。
魅力的な部分はPBR0.5倍レベルの価格感ぐらい。
ただし、ここが評価されて初値は伸びづらく結局は需給で決まることから難しそう。

主幹事も東海東京証券で、こういったIPOを捌くことは出来ても、初値からうまくプラスに持ってくるイメージに薄い。

最終評価はDよりのC評価とする。

公募割れしても極端に下がることもなさそうなので、
別に申し込んでも良いかも知れないが初値で売って儲けようという期待なら期待値は低いと思いたい。
長期的に期待できるとも言えないが配当もあるし、いつか公開価格より上がることはありそう。
どこかで手放せるポイントはあるということでDではなくC評価程度。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です