フラー(5583)のIPO新規上場情報

事業のメインはデジタルパートナー事業で、企業の公式アプリなどデジタル分野でのサポートをする。キャンプ用品のスノーピークのデジタル系請負をしているので、そのイメージが強い。（新潟と千葉に本店がある）

仕事はワンチームで「共創の精神」が非常に強い。パートナー会社との関わりも重視。

ダウンラウンド上場で前回調達時から時価総額が約3分の1。これまでこの手のIPOは公募株が安く見えて魅力で初値は上がる傾向。

SBI証券主幹事、需給も小粒。上場後の売りはポツポツでそうか？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

大手企業のスマートフォンアプリ開発がメイン。
専属チームで企業の事業の細かい部分まで伴走型で取り組むのが特徴。
新潟県の企業でゆかりのあるスノーピークの事例を見ると業態が顕著に表れる。

DX系企業として見られれば注目度は高そう。

7月25日は単独上場で目立つのも注目度の点ではポジティブ。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年6月度、単体予想EPSは55.03。
想定価格990円から計算される予想PERは約17.99倍。

成長率が高いように見えないので、妥当な価格設定か？
今後の成長が期待できると見られれば、十分割安感があるが・・・。
仮条件はかなり引き上げていて想定価格の33.3%上げ。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約3.36億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はSBI証券。

売出株式比率72.9%と売出多い。オファリングレシオは標準範囲。

既存株主上位には複数のベンチャーキャピタルが並ぶ。
上場時に売出しておらず、ロックアップが解除になれば売ってくることは想定される。
VCによって価格解除が1.5倍と3倍の差が付いているのも見どころ。

ストック・オプションの未行使残は734円～3,325円という行使価格で想定価格より高く、
フラーがダウンラウンド上場というのがわかる。
なお、前回調達時よりも想定価格ベースで時価総額約3分の1。
これをみると3倍ぐらいは想定できるというのが、昨年から続くダウンラウンド上場のトレンドだがどうなるか？

小粒であることを踏まえ、公開価格付近では買い圧倒の需給模様。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

新潟県に本店を置くアプリ開発企業で、仕事の雰囲気を見ても若さを感じる。
その中で事業の中心が開発系なので応援したくなる魅力あり。

業績は売上利益の成長率が予定よりも低いためダウンラウンド上場の憂き目なのかも知れないが、
それでも上場することによって飛躍のイメージにはなるので、上場後も頑張って欲しいところ。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

吸収規模の小ささ、事業の話題性、主幹事SBI証券。3分の1レベルのダウンラウンド上場と、
初値高騰要素は揃っているので、文句はあまりないA級評価銘柄。

一方で売出していないベンチャーキャピタルが、上場後は売り圧としてかなりある。
ダウンラウンドでも上場してきたということでロックアップ解除となればしっかりイグジットするだろう。
セカンダリー勢が、VCと対峙して応援買い出来るかが初値以降の争いになりそう。

上場後の後のことは分からないにせよ公募株には有利な状況ということでかなり欲しいIPOという評価。

2日目までもつれると、翌日には2社の上場が控えていて、
やや混迷スタートとなりそう。2倍は超えそうだが、3倍は難しいか？という雰囲気。

全体考察
総合得点は8点で、私のBBスタンスはA評価です