ナレルグループ(9163)のIPO新規上場情報

持株会社体制で技術者派遣業全般が事業内容になっているが、多くは建設技術者派遣（CADや施行管理技術者）。

目論見書にもあるように建築技術者不足によって需要増。熊本の半導体工場建設など目に見えている大型イベントもある。

特徴としては「若いプロ人材」育成。

売出株式比率約96％とVCのイグジットIPO。成長率も低く人気しにくいスペック。

上場タイミングも含めて微妙IPOとして取り扱い、攻めるかパスするか迷いそうな銘柄。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

主に建築技術者が強い派遣事業。持株会社として複数事業に対応し始めている。
特にこれと言った目立った新規性がないため注目度は薄そう。

上場日は同時上場。互いに注目度の面では微妙な2社ということで、
2社での争いではなく、その後のIPOに注目度を奪われないかが心配どころ。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年10月度、連結予想EPSは179.05。
想定価格2,560円から計算される予想PERは約14.30倍。

業績は緩やかながら成長雰囲気もあるし、今後の人材需要がありそうな建築業界。
適切なIPOディスカウントレベルは感じられる。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約102億円（想定価格ベースOA分含む）の大型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は大和証券。

売出株式比率95.7%とほぼ売出IPO。売出元は筆頭株主のベンチャーキャピタルなどVC勢多い。
結果的にイグジットIPOの様相。オファリングレシオも高めの水準。

大量売出後もVC保有数はそれなりに残る。ロックアップは180日。
逆に売出していない個人既存株主には1.5倍解除の価格要件がある。

ストック・オプションの未行使残は1,000円価格が約42.6万株。上場時参入は約27万株。

こちらは吸収金額100億規模の売出しIPOが吸収しきれるかが焦点。
2023年に入りIPO地合い好調が継続の流れなら大丈夫だがというところ。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

人材派遣業で建築系。人気化はしにくい業種となっているが、ここ最近は熊本での半導体工場新設など需要も見られる。
建築需要の今後の高さが売りで目論見書にも掲載。確かに根強い需要はありそうな分野。

建築業界は人材不足、人手不足も深刻な状態で、この手の会社の社会的役割は大きい。
こういった会社が健全な形で成長して欲しいとは思うので、悪い形での船出にはなって欲しくないとは感じる。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

総合評価的にはBBスタンスは微妙なC評価が妥当。
奇しくも同日に似たようなファンドのイグジットIPOが揃うこととなった。

こちらの初値に対する欠点は相手方よりも吸収規模が大きい点。
一方で「建築業派遣 vs 保険募集業」のいずれもIPOらしくない業種の対比では、
建築業派遣の方が、人材不足問題や建築需要の高まりなど需要の種は豊富なイメージで成長の可能性はありそう。
ということで買い意欲はこちらの方が出やすいところは加点できる。

微妙評価に加減減点しても、結局微妙という評価しか下せずC評価と同時上場の相方と同じ4点評価とするが、
こちらの方が気持ち上という雰囲気でBBスタンス評価を迎えている。

微妙案件2社で申込みから当選も運任せ、初値結果も運任せが漂う。
2社どっちも申し込んでIPOの力で儲かるか程度。腐ってもIPO精神の方は両方申込み、
微妙銘柄はパス姿勢を貫く方は回避して、良い銘柄を素直に待とう。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です