ホロスホールディングス(5839)のIPO新規上場情報

保険募集人を「将来設計士」と名付けて保険募集活動を行う。200名を超える人員が全国規模で募集活動。

全数売出のよるイグジットIPO。しかも業績下り坂で脱出イベント。想定価格の割安さは微妙なところ。

筆頭VCの大放出で上場後の売り圧は少なめ。ロックアップは固め。ただ、先々の売りリスクを考えると株価上昇の目が薄く人気がなさそう。

地合いや７月下旬のIPOスケジュールによるが公募割れまで考えたい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

保険代理店事業というアコギな商売を展開。IPOでは不人気の業態。
「将来設計士」というオリジナルなブランドで全国規模で募集活動。

業種としては注目度は薄くなりそう。
7月下旬のIPOも今年は数が多い、同時上場にもなりスケジュール面でも怪しいか？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年7月度、連結予想EPSは114.05。
想定価格1,710円から計算される予想PERは約14.99倍。

売上は横ばいか不安定で成長イメージに薄い。
IPO好調に乗って仮条件を引き上げられており、さらに価格面での魅力は落ちている。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約30.4億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事はSMBC日興証券。

公募0、売出100％と挑戦的なイグジット案件。オファリングレシオは高めの水準。
筆頭株主のVCが大放出する現金化イベント。これがIPO好調なら許されるのか見もの。

ストック・オプションの未行使残は600円価格が58,200株。
売出株などの大きさに比べると小さく見える。

なお、売出で放出するVC含めベンチャーキャピタルには「180日or1.5倍」のロックアップで、
初値から1.5倍価格は厳しいものの、1.5倍に行ってしまうと簡単に追加売りされそう。

買い意欲が湧かないIPOで、需給面では厳しい評価としたい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

IPOらしくない業種で、しかも人海戦術系。上場の仕方もイグジットで正直魅力に欠けるIPO。
本来ならばこういったIPOはディスカウント性で勝負するところだが、IPO好調を横目に高く売りたいモードになっている。

「May I HOLOS You?」がキャッチコピー。なんとなく触れると「ホロス」されそうで、
近寄らなくて済むなら、触らぬなんとかにというタイプか？

配当性向は40％と保険業らしく高く設定。
7月期末銘柄なので上場後すぐに権利日を迎えることになり、配当ゲット込みで価格評価はしたほうが良いか？

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

改めて複数の観点から見ても魅力を感じないIPOという印象。
ところがIPOの他、株式市場の地合いの良さも手伝って主幹事は仮条件を引き上げてきた。
何でもかんでも公募申し込みすると、せっかく公募株（ここは売出だけだが）貰っても公募割れの憂き目の可能性が高い。

一方である程度の収益維持が見込める保険業で、配当性向も高いことや
海外販売予定、親引けで複数の保険会社、持株会に販売する事になっており一定の需要は見込める。

あまり評価できないことに目を瞑って、当選すれば微増ぐらいのプラスにはなる可能性に賭ける程度の
消極的な参加でも、IPOならなんでも良いという人は参加しても後は運任せという程度。

7月下旬にIPOが多いものの、この銘柄はスタートIPO。
地合いがうまく好調継続で、評価が微妙な銘柄でも食指が動く助けが必要になりそう。
D評価にしようかと考えたが、踏ん張る可能性も捨てきれず最終C評価とする。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です