ノバレーゼ(9160)のIPO新規上場情報

2016年に東証1部から上場廃止の再上場案件。
投資ファンドによる改革により業績回復途上となったところで登場。

出直しは東証スタンダードから、吸収金額70億超えレベルの全数売出案件。

これはもう安く買えるか？が焦点のIPOだが、主幹事野村證券というのもあって想定価格はそれほどディスカウント感がない。

IPO的には人気が集まりにくそうで初値は期待できないが、単価も安いし売出株を手に入れてもそれほど被害とはならないといった微妙案件。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

再上場案件。今や斜陽産業とも言えるウェディング事業。
IPOとして注目される要素は薄い。

上場日は6月最終日、3社同時上場。ラッシュ終盤。
注目度の薄さから初値から買いが入るイメージが湧きづらい。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年12月度、連結予想EPSは74.43。
想定価格570円から計算される予想PERは約7.66倍。

業績回復傾向で同業種比較では指標的に割安感がある。
ただ業種的には業界全体の先行き不透明感は否めない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約71.3億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事は野村證券。

全数売出で公募なし。オファリングレシオは高めの水準。
完全にファンドのイグジット案件。IPOでこういう案件に付き合いたくない人はパスが賢明。

ファンド売出後も半数程度は残し2500万株も残数保有。
ロックアップは90日だが、その後の株価が好調ならばあっさり追加売も覚悟。

ストック・オプションの未行使残は250円価格で184万株。
こちらも売り圧力として計算したい。

あまり魅力を感じない再上場案件で、吸収金額も中規模。
需給面で苦しい。忖度側のIPOレポートが異様にポジティブなのは逆に怪しい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

ウェディング事業はコロナ禍での打撃もそうだが、正直社会変容について行けてない微妙な事業のイメージ。
フォトビジネスとか記念だからといって高くサービスを提供できるような社会に今の日本はなっていない。

いわゆるバブル成長であったり、高度成長など成長フェーズにある社会や国で受け入れられそう。
再上場案件・ファンドのイグジット案件というのも含めて全く魅力を感じないのも珍しい。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

正直、魅力を感じることが難しい再上場、ファンドのイグジットIPO。
同業種と比べて圧倒的な割安価値を付けていれば食指も動くかもしれないが、それほどでもない。
なんというか賞味期限が切れて練り直したまんじゅうをちょっと安く売ってるようなバッタもんIPO。

パス指定でD評価とする。

忖度側のIPOレポートが必要以上にポジティブなのが異様。
主幹事野村證券のイグジットIPOだけあり、多方面に売り込みがうまくいくよう仕込んでいるのでは？
と訝しげにBB期間中は感じるところ。

全体考察
総合得点は3点で、私のBBスタンスはD評価です