ノイルイミューン・バイオテック(4893)のIPO新規上場情報

公募については国内募集株式数 1,539,800 株及び海外募集株式数 2,083,200 株を目処に行われる予定ですが、最終的な内訳は、公開価格決定日（2023 年 6 月 19 日）に決定される予定です。海外募集分は親引けあり。

同年3月に上場予定も米国の金融不安を背景に上場延期。もともと海外募集分が多かったために急速に需要が萎んだか？

今回は見た目上は公募株数が減っているが、海外配分が極端に減っており、逆に国内配分を増やしての出直し。需給面を考慮すると素直にこの内容変更は割引として考えたい。

もともと赤字バイオ案件で微妙だったものが、3か月後に微妙な雰囲気を加速させている。

第一印象はパスで構えて、状況次第でというところだが、6月IPOは数も出揃ったことで無理はしないでも良いのではないか？

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

6月のバイオ案件第二弾。3月上場予定も市況を見て延期。
今回は海外分を減らして国内分を増やしている、悪い意味での注目度が上がっていそう。

上場日はラッシュ後半の同時上場。敢えてここに参加する意味もないか？
バイオ好きで、さらに開発分野に興味ある人向け限定と言えそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年12月度、単独予想EPSは-44.27。
想定価格720円から計算される予想PERは-約16.26倍で赤字。

当面黒字化は無理そうな状況。
あってないような価格なので割安性では測れない。上場企業側の言い値レベルと言えそう。
なお、仮条件は700～740円で上限は想定価格超え、市況の良さから言い値を上げてきたようにも見える。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約29.9億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はSMBC日興証券。

全数公募で売出なし。オファリングレシオはかなり低い水準。
既存株主の上位はVCよりも製薬会社などが多い。新薬への期待感は強そう。

ベンチャーキャピタルからの出資は約250万株。価格によるロックアップ解除はない。
半年ほどロックアップが掛かっているが、半年レベルでどうにかなる事業ではないので、
長期保有の場合はロックアップ解除されていて、当然追加の売り玉は多い。

ストック・オプションの未行使残は上場時算入が230万株ほど。
100～779円で満遍なくあるため公開価格水準でも十分に売ってくる可能性あり。

3月上場予定時よりも吸収金額は減っているが、海外募集分を引き下げたためで国内人気もあやふや。
正直なところ買い需要があるとは思えなく、上場時需給は苦しいと見る。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

研究内容は免疫細胞を培養することによるがん治療。がん治療では近年盛んに開発されている分野。
3月の上場延期から海外募集分を下げたことで、海外での引き合いがなくなったことを露呈したのは悪い印象。

あえてここに突っ込んでギャンブルするというIPOプライマリー投資家は少ないのではなかろうか？
上場延期から3ヶ月で帰ってきた割には、あまり公募株に魅力を感じないというか、逆に魅力が落ちた印象。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

仮条件の上限が想定価格を超えて設定されたのはやや驚きの印象。
これをみて、意外と需要があるのでは？と思うのは時期尚早といったところ。
IPOの状況が良い時に少しでも高く募集をという意図のほうが感じ取られる。

敢えて参加したいとは思えず、第一印象で評価したD評価を継続。

パス銘柄として判断。初値がプラスになって多少伸びたとしてもしれてる感じもするので、
スルーして初値プラスでも後悔はしなさそう。治療法に興味がある人は参加してください。

全体考察
総合得点は3点で、私のBBスタンスはD評価です