クオリプス(4894)のIPO新規上場情報

赤字バイオギャンブルIPOど真ん中銘柄。内容はiPS細胞関係ということで期待値自体は高そう。

バイオ銘柄は厳しいところが多いが、こちらは治験成功のニュースで上場前にアピール高い。

ベンチャーキャピタルからの出資が多く、上場時に売出なしロックアップは「90日or2倍」とやや特殊になっているが、短い日数と高い価格解除からしても売れるなら売るという雰囲気は強い。

IPO地合いが良ければ、こういった銘柄も期待できるが、ひとまず新規承認時の状況では様子見の微妙評価スタートで、仮条件発表後に改めて考えたい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

6月の上場ラッシュに差し込んできた赤字バイオIPO。
iPS細胞関連で臨床試験が進んでおり技術自体は注目度高い。

しかしながら業績の見通しは赤字拡大続きでどうにもならない状況。
これだけ数が多い6月IPOの中では取捨選択され苦しいスタートになりそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年3月度、単体予想EPSは-174.50。
想定価格1,560円から計算される予想PERは約-8.94倍の赤字。

黒字の見通しは全く立っていない、まさに赤字バイオ銘柄。
割安性では測れない銘柄。想定価格も算定の根拠は苦しい。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約39.4億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は野村證券。

公募売出比は売出株式比率22.7%と公募が多い。オファリングレシオは高めの標準範囲。
売出割合が少ない割にはオファリングレシオ高めは気になる。
なお、ベンチャーキャピタルからの売りがないため上場後の追加売り懸念は非常に強い。

そのベンチャーキャピタルへのロックアップは「90日or 2倍」と1.5倍でなく高くしている。

ストック・オプションの未行使残は1,000円、1,400円価格で40万株程度算入。
ストック・オプションの価格感をどう捉えるか？

吸収金額40億の赤字バイオIPOはタイミングが悪ければ非常に苦しい需給模様。
新規承認時は機を狙って登場と考えていただろうが、蓋をあけると6月末で強弱出ると苦しい可能性も。

ただし、野村證券主幹事ということで下がっても格好は付けそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

iPS細胞への期待度は高いのかもしれないが、赤字バイオIPOへの不信感は強そう。
特に大阪大学発のバイオベンチャーは、不信度高い連想銘柄をイメージする人も多いため投資に警戒感が出る。

バイオ好きという人も多いかもしれないが、これだけIPOの地合いが好調で他の銘柄でも結果が良い時に、
あえて赤字バイオギャンブル銘柄に攻めるというのもモノ好きという感覚かもしれない。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

結論的には参加するなら損失覚悟でということで最終C評価とする。
一方、バイオの中でもiPS細胞は花形とも言えるし、当然知っている人も多く話題性も高い。
そこにしっかりとした野村證券主幹事ということで、ちょっとしたギャンブルイメージで参加は可能レベルか？

いずれにしても上場後のVCの売り玉の多さなど、株価上昇を押さえつける要素はたくさんあるので、
長期的に触れたいとは思えない銘柄。まさにギャンブル参戦。

上場スケジュールを再確認したが、ラッシュウイークの2日目に3社同時上場。
他の銘柄は札証とスタンダード（不動産業）ということで、注目度的にはある程度貰えそうな雰囲気。
予想は難しく、まさに雰囲気次第。

もう一つ加えると幹事団が、主幹事野村にSBI証券と松井のみで絞っていることから、
初値売り層が少なくなるので、主幹事手腕で買い需要の雰囲気は作りやすそう。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です