オービーシステム(5576)のIPO新規上場情報

沿革からはオービック向けソフトウェア開発から設立され、その後、日立の関西進出時のパートナーとして活躍。その流れで大手のITイノベーション系開発に太いパイプ。

一定数の受注の多さが特徴だが、デメリットは依存も強いと言えそう。今後は売上先依存を解消しつつも業績を伸ばせるか？

業績も横ばい傾向で良く言えば安定的。地味な東証スタンダード上場となれば初値はややプラス程度で固さを感じる銘柄評価になりそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

社名からも分かるようにスタートはオービック向けソフトウェア会社。
日立向けなど大手とのシステム開発実績がある。老舗SIer。

東証スタンダード上場で売上も横ばいなので、
IPO視点では注目度は薄めか？ただ、悪い判断はなさそうな銘柄でIPO好調期なら狙い目。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2024年3月度、単体予想EPSは179.30。
想定価格1,710円から計算される予想PERは約9.54倍。

成長性は感じづらいが適度なIPOディスカウントを感じる。
日経平均好調な相場が継続すれば割安IPOとして注目を集める可能性も。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約11.7億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事はSMBC日興証券。

公募売出比は１：２で売出が多い。オファリングレシオは高めの標準範囲。

関係先とも言える日立ソリューションズは100%売出。
上場後も良好な関係を築きながらも、上場するなら脱皮して新しい動きも必要ということと見える。

ベンチャーキャピタルからの出資は見当たらず。
ストック・オプションの未行使残もなし。

上場時に予定分売出のようなIPOということで、上場後の追加売の懸念はない。

吸収規模の軽量感も含めて追加売りもないなら需給面は良好。
同時上場で相手方がやや大型、注目度でこちらが難点なので買いも少なめかもしれないが、
少ない買いでも十分初値プラススタートが見込める魅力的な想定価格。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

老舗SIer、東証スタンダード上場とやや地味感がある銘柄なので人気化は難しい。
また上場後は、これまでの大手との付き合いシステム開発ではなく他社へのシェアが必要。

大手との付き合いで培った技術があるのか？それが新しい需要の掘り起こしになるのかが、
今後の魅力があるかの焦点になりそう。結果的にはIPOファンには少し人気や魅力では劣ると見る。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

売上横ばいで、どちらかというと少し斜陽感も漂う銘柄の上場。
しかしながら、東証スタンダード上場で割安感を出したIPOはここ最近は初値から人気することもある。
6月上場ラッシュでも序盤ということで、買い意欲がまだまだあれば初値はプラスは安泰か？

一方、買い上がるほどの魅力は上場時には感じづらいことから微増程度のスタート予想。

申し込んで損はない銘柄として最終評価はB評価。
初値プラスでも想定より上がればラッキー程度に考えたい。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です