エキサイトホールディングス(5571)のIPO新規上場情報

ポータルサイトとして活躍したエキサイトが再上場。古くは誰もが見たり使ったことがあるぐらいブランド力があったが、競争激化で業績低迷。
サイバーエージェント系のTOBを経て劇的なターンアラウンド。今回の再上場に至る。

再上場案件ということで基本的にはIPOでは警戒感高まるも売出し０は好感。

規模感も小さく公募組に前向きに受け入れられる工夫がされているのはさすが業績急改善しただけの手腕はある。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

ポータルサイト大手だったエキサイト。2018年に上場廃止の再上場案件。
サイバーエージェントの手が入りV字回復。

とりあえず注目度の点では「再上場案件」ということで割引しておきたい。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年3月度、連結予想EPSは114.72。
想定価格1,340円から計算される予想PERは約11.68倍。

再編後の業績を考えれば十分なディスカウント性あり。
全数公募でこの価格ならIPO株としてのお得感は十分な出していると評価。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約13.8億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事は大和証券とみずほ証券の共同主幹事。

売出なしの全数公募。オファリングレシオは標準範囲。
資金使途は広告宣伝費やシステム開発費。

ベンチャーキャピタルからの出資あり、筆頭株主CASKもCyberAgentのファンド。
下位のVCはロックアップは1.5倍で解除となる。1.5倍超えで売却可能性は高い。

ストック・オプションの未行使残は500,930円。
上場時参入34万株弱。こちらも普通に行使で売り圧となる予測。

再編して業績向上での再上場、力を発揮した経営陣などに妥当な報酬としては仕方のないところ。

再上場案件として公開株価的に価値があるかで買いが入るかどうかだが、
公開価格付近では需給面では買い優勢の内容と見る。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

現在の業種はプラットフォーム的な部分だけでなく、SaaS,DX系の新規事業の割合も多い。
今後は既存事業とのシナジーを活かしたエキサイトとしての魅力を出せるかどうか？

今となっては「エキサイト」のブランド力も殆どないと思えるので、心機一転として評価できるか？
ポータルサイト系ではニフティあたりが類似企業で参考になりそう。

むしろエキサイトよりもサイバーエージェントの手腕を評価するか？なのかもしれない。
目論見書のスタートページには「CEO」「CFO」の紹介が1ページずつ割かれる程度。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

公開価格には十分なディスカウントを感じてお得感があるが、
再上場案件をどう市場が評価するか？といった強弱混ざった銘柄。

IPOの設定（全数公募や価格設定）からは前向き評価できるとして総合B評価とする。

上場後の売り圧力も高いので、特にロックアップ解除の1.5倍までが上場直後高値の精一杯と言ったところ。

共同主幹事体制や幹事証券にネット証券多く個人に割り振りたいイシューと見て
広く浅く利益が出るような銘柄となって欲しい。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です