Ａｒｅｎｔ(5254)のIPO新規上場情報

公募株のうち279,200株は自己株式の処分。VCにロックアップが掛かってないところが多い（第三者割当で継続所有確約が掛かってました）。

みずほ証券主幹事で価格設定が強気（割高）。このパターンは特に最近は上場ラッシュになる時期のIPOでは苦戦が多いのでやや不安。

ストック・オプションの行使も期間に入っているが信託型ですぐに売却できない。

ちゃんと売り方の上場時すぐ売りを防いでいるようだが、解除されようものならいつでも売り出しそうな雰囲気が怖いところ。

先を見越すとあまり上場時の買い意欲が出なさそうな銘柄。同時上場の混み具合を見てやや評価を下げる可能性も。

仮条件発表時に
売出し株600,000→470,000株に変更。
OAも195,000株→175,500株に変更。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

3月28日に上場で3社同時上場。建設DX系。
同業種で有名なスパイダープラスが連続赤字中だが、ここがどう評価されるか？

混み合ったスケジュールになったところで規模感・割高感含めて
不利な戦いにはなりそう。注目度の点では割引。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年6月度、連結予想EPSは37.05。
想定価格1,750円から計算される予想PERは約47.23倍。

この時世のIPOでは非常に割高感あり。
そこで仮条件を大幅に引き下げて、みずほ証券お得意の割安感演出手法。

上限でも2割弱の割引になってしまうと想定価格の値付けがおかしくない？と逆に不信感が募る。
決して仮条件を引き下げても割安感はないので注意。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約23.5億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はみずほ証券。

売出株式比率40.2%と若干公募株が多い。オファリング・レシオは標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資はあるがロックアップは継続所有の確約。
基本、上場後の既存株主からの売り圧はないが、ロックアップ解除後は売りたそうな雰囲気強い。

ストック・オプションの未行使残は227円価格で709,200株は行使期間。信託型で約半年は行使できない。

需給面は上場ラッシュではやや苦しめ。
主幹事が売出し削減や価格引き下げで対応も、それでもやや苦しいレベル。

上場直後の売り圧がないのが救いだが、半年後以降にいつでも売りが増えてきそうで、
影響して重たくなりそうな雰囲気。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

建築DX系は面白い部分はありそうだが、IPOではそれほど人気にならない。
いわゆる不動産・建築セクターみたいな見方をされているのか？それだと思いきった割安感がないと厳しい。

DX化関連IPOも一時期ブームみたいになっていたが、鳴かず飛ばずの企業が多く、
今は高PERでの登場だと割高感が意識されてしまうのが残念なところ。
現時点では上場ラッシュ中に出てしまうと注目度で負けて厳しい船出となりそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

仮条件を引き下げて来て需要がないことが露呈。
それでも割安演出なので乗っかるべきなのか？悩むIPOとなる。

正直、割高に見えた意外はそれほど悪いととも思わないIPOなので参加姿勢で行きたいが、
結局、IPO初値は人気投票となることから苦戦は見えている。

こんなIPOでも当たりにくいIPO戦線だが、何でもかんでも申し込んでしまうと
ババだけ掴んでしまう可能性があるので微妙銘柄はパスと決めている人はパスでいいだろう。

逆になんでも申し込んで、公募割れ可能性銘柄も総合的に見れば結局参加したもの勝ちと思う人は参加。
私は後者に近いタイプなので、BB期間後半まで粘ってから申し込むか決める予定。

最終C評価とするが、なんとかなって欲しいところ。
でも過密上場ラッシュになると全てプラスは厳しいので、割れるならここという雰囲気強い。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です