ＦＩＸＥＲ(5129)のIPO新規上場情報

あの「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」を開発したところ。マイクロソフトAzureによるクラウドインテグレータ企業がスピード開発を売りに急成長でIPO。

想定価格には直近の急成長はあまり織り込んでないようで安くは見える。

業種・業績ともに良いが、吸収金額は大きめ。コロナ特需を割り引いて考えたい思考で行くととりあえずB評価あたりとするが、そういうのがなければA評価にしていそう。

社名がかっこいい。「フィクサーの〇〇です。」と言ってみたい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

厚生労働省のシステム「HER-SYS」「COCOA」など請負実績が評価されそうで注目。
一方でコロナ特需関係でもあるので、ラッキー上場ではないかは精査したいところ。

１０月のスタートIPOで、一つ前から１週間空くスケジュールは注目度の点では好材料。
社名のかっこよさといい、注目度は比較的上と見る。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年8月度、単体予想EPSは65.62円。
想定価格1,280円から計算される予想PERは約19.51倍。

業績予想はコロナ特需の減退は入れ込んでいて、そうみると妥当な価格設定。
特需を見ないでいても安定して業績は上げているわけで見所ありの企業。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約29.4億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事は野村證券。

公募売出は売出株式比率70%と売出が多め。オファリング・レシオは標準範囲。

ベンチャーキャピタルの出資もあるが、ロックアップに価格解除などはない。

一方で、ストックオプションは８０円価格で約133万株と大量。
全数行使可能で、ここは強烈な売り圧力として意識したい。
出口案件と見るなら、このストックオプション勢の出口を意識した上場。

需給面はやや重たいところだが、10月のスタートIPOで期待感も強い。
野村證券主幹事で業種業績に見どころがあるので問題ないと見る。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

「HER-SYS」「COCOA」といったここ最近で多くの方が見聞きした官公庁システムの請負実績は、
単純に儲かる仕事ができるというイメージを強くする。事実スピード開発が強みで、受注を取れる能力を評価したい。

一部では棚ぼた上場的な見方で、上場後の転落に注意したいという見向きもあるようだが、
結構保守的な業績予想をしている模様だし、今の実績が未来の受注にも繋がるのではないかと個人的には魅力のほうが強い。
上場前に大型受注している点も評価できるし、やはり社名も魅力。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

IPOではいろいろな面白い社名も見られるが、「FIXER」は今までの中でもインパクト強い。
しかもそこが官公庁のシステムをスピード開発で受注とか、フィクサーの語源どおりの活躍。

IPO的にはやや吸収金額が大きい点、ストックオプションの売り圧の大きさが初値には気になるところ。
一方で10月のスタートIPOに入って、9月上場ラッシュを避けたのは好感。

普通にIPOファンとして公募株で手に入れたいと感じさせる銘柄という評価。
総合評価はB評価、野村證券主幹事ながら枚数は多めなのでなんとかゲットして
「フィクサーを手に入れました」と言ってみたい。むしろ「フィクサーの黒澤です。」と言ってみたい。

全体考察
総合得点は7点で、私のBBスタンスはB評価です