クラシコム(7110)のIPO新規上場情報

「北欧ライフスタイル」を売るという変わったコンセプトのEC運営。独自性があるのは見どころで、興味のある女性層を引き付けそう。

業績好調で連続増収増益。

一方、小売業の業態にしては過度に見える吸収金額がどうでるか？みずほ証券主幹事なので、仮条件の動向にも注目。

既存株主は3名が一気に放出。もともとは不動産業から始めたようだが、北欧スタイルという視点のビジネスが当たったのはおめでとうといったところか？

IPO公募参加的には、いまいちと言うかまずは様子見ムード（理由：不人気小売セクターで他社より見込まれ、吸収金額も大きい）。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

セクター小売業のECサイト運営。北欧スタイルが特徴。
お盆休み（夏休み）前の最終IPO。比較的閑散期の上場は注目度アップ。

どうもニュース記事などで無理に注目度を上げようとしている感じがして、
今のIPO地合いでは精一杯の上場になりそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年7月度、単体予想EPSは85.98円。
想定価格1,420円から計算される予想PERは約16.52倍。

類似比較をECサイト運営の小売業としてしまうと随分と見込まれた数字。
業績は伸び盛りだが、この後どこまで成長余地があるか？

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約34.9億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証スタンダード市場。主幹事はみずほ証券と三菱UFJモルガンスタンレー証券の共同主幹事。

売出株式比率68.7%とやや売出が多い。オファリング・レシオは高めの水準。
既存株主は3名とシンプル。その内1名は全数を売り出す。

ロックアップが1年かかっており既存株主による上場後の売りは当面なし。
ストックオプションの未行使残もなし。

上場後の売り圧はないため、上場初値は公募組の売りとセカンダリー勢の買いに左右される。
今のIPO地合いが続いているようだと、30億を超える吸収金額は心もとない。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

「北欧スタイル」を全面に売出し、暮らしの提案とともに「雑貨」「服飾」などを売っている。
正直、実用性などを問いやすい男性陣には受けにくいが、女性ウケしやすそう。

といっても爆発的にヒットしても逆に印象が悪くなりそうなシンプルスタイルなので、これから伸びるかの魅力は疑問。
IPO初値投資向けとは言いにくいか？また上場して応援するような株にも感じづらい。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

正直に感じる部分はIPO初値視点ではかなり厳しそうに感じる銘柄。
「北欧スタイル」が当たって首尾よく上場まで漕ぎ着けた感があり、
これから参戦する層にあまりメリットは見当たらない。
みずほ証券主幹事のお得意小売セクターにしては割安感もあまり感じない。

「北欧スタイル」信者がどれ程いるのか見ものだが、
IPOなんでも来いの状況でない限り参加は慎重にしたいところ。

残念だが公募割れも視野に評価しておく。

全体考察
総合得点は3点で、私のBBスタンスはD評価です