エアークローゼット(9557)のIPO新規上場情報

月額制ファッションレンタルサービス（サブスクで衣料品をレンタル）。生活の新スタイル系と言える。
業態はシンプルで分かりやすく、旧来の所有する生き方から、シェアする生き方に変わってきている世の中では可能性は感じるビジネス。

現状のターゲットは子育て世代あたりの女性。徐々に浸透していて、いち早く上場まで漕ぎ着けたのは企業としては第1段階突破か？

売上は伸びるも先行投資響き赤字体質。割安感では計れないIPO。

IPO地合いに左右されそうなところはあるものの、話題性は高そうで初値は伸びて欲しいところ。個人的にはこういった会社は上場後も伸びて欲しいので、中長期的にも要チェック。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

月額制のファッションレンタルサービス。業種としては面白い。
現在のターゲットは子育て女性層。忙しいけどお洒落も気にする層狙い。

新規性の高い（服飾サブスクという意味で）ビジネスで、目新しさから注目度を集めそう。
この手の単独商売でいち早く上場まで漕ぎ着けたのはメリットがありそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年6月度、単体予想EPSは-73.88円（赤字）。
想定価格870円から計算される予想PERは約-11.78倍。

売上は伸びているものの、赤字体質からはまだ反転せず。
今後も認知度アップや売上増加を考えると費用が嵩みそうで黒字化は先になりそう。

価格面からは測れない銘柄。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約8.7億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はみずほ証券。

売出株式比率15.7％と公募が多く売り出し少ない。オファリング・レシオは低めの標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資が多く、売り出さないため保有が多く残る。
ロックアップも1.5倍で解除も多く気になるところ。

ストックオプションの未行使残は行使価格1,223円があるなど、行使価格がべらぼうに安いわけではなく。
よくあるベンチャー企業の標準的な状況に見える。多少の売り圧はありそうだがというところ。

VCジャブジャブ案件で、売り出さないためロックアップ解除で追加売りは覚悟。
そうなると上値目処は公開価格の1.5倍は超えにくそうというのが上場前から見えている。

吸収金額小さめで公開価格～1.5倍価格の水準に落ち着きそうな需給様相。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

パッとどの人がみても事業スタイルが分かりやすくて、面白いビジネスとは感じる。
服も所有からレンタルにすることで循環型社会に貢献。着回しなども考えるとローテーションされる方が好きな方も多そう。

エアークローゼットの社名のように、クローゼットにものをしまい込むよりも、
グルグル利用して回る方が良いと考える人は多くなっている社会と感じ、ビジネスが伸びて欲しいとは思う。

ネットで服を買うという習慣も付いてきている頃で、ここに来てサイズ感や見た目の印象に失敗しても
レンタルだから返却交換できるスタイルは伸びていくと感じる。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

ビジネスとしては面白いのだが、IPOとして、また初値を検討する上では悩ましい銘柄。
みずほ証券主幹事でサービス業。赤字上場。VCも多く残るとなると売り圧厳しい。

吸収金額が10億以下の規模なので、なんとか初値は公開価格より上で決着して欲しいところ。
一方で、VCのロックアップ解除となる1.5倍価格は相当意識されそうで、超えるのは至難の業か？
公募価格以上、1.5倍以下では買い意欲があるといった相場になりやすそう。

そのレベルの盛り上がりになりそうなので、もし極端にIPO地合いが悪いとなると、
買い手の集まりが悪く、公開価格付近の覚悟もしたい。
一応、第一印象のB評価を残すが、地合い次第で公募割れも覚悟の意味ではCに近いB評価とする。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です