マイクロ波化学(9227)のIPO新規上場情報

マイクロ波を工業に活かそうとするベンチャー企業。
脱炭素エネルギーで期待したいが、業績や状況などはIPOでは赤字バイオベンチャーの気分。
IPOの地合い自体が悪い状況だと初値は期待しづらいところ。

赤字で成長期待だけの値付けのIPOは昨年度末辺りからかなり厳しい評価続く。

枚数が多く公募当選は容易な方で慎重な申し込みが必要か？

一方で楽しみな技術でもあるので、単価が安く記念参加チケットぐらいの感覚で参加は可能。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

マイクロ波エンジニアリングサービス。脱炭素社会に向けたテーマ性はある。
小さなエネルギーで効率よく破壊できたりの特徴。

6月末の上場ラッシュ中に入ったが、単独上場となる。
事業内容には目新しさがあるが、IPO地合いが悪い時期での上場はどうか？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2023年3月度、単体予想EPSは3.08円。
想定価格580円から計算される予想PERは約188.31倍。

研究開発系でギャンブル案件。バイオ銘柄と似た雰囲気。
割安性では計れない銘柄だが、数字的に見込まれ過ぎ感がある（上場時期尚早）。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約20.2億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証グロース市場。主幹事はSMBC日興証券。

売出株式比率43.9％と公募売出数は拮抗。オファリング・レシオは標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資が豊富。
大量に売り出すもその後もかなりの保有数が残る。ロックアップは90日or1.5倍。
1.5倍を超えそうにもないので90日後のロックアップ解除の売り圧意識。
この状況では初値も初値以降も上がりにくいと考えたい。

ストック・オプションの未行使残は32～461円で160万株程度。
その内107万株ほどが行使期間内。こちらも大きな売り圧力として意識。

残念ながら需給面ではおすすめできない。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

マイクロ波活用は何十年も前から研究開発されてきたが、ようやく実用化に向けた動きで上場会社もというところ。
脱炭素社会で注目度を上げていそうだが、どちらかというとイグジットの印象が強い。

事業には期待したいが、上場自体はイグジット目的にしか見えないので、
よっぽどこの分野に投資したかったという人以外は触らぬのが良さそう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

残念ながらIPOの地合いがいまいちのときに、こういった未来に期待の研究開発系は
投資意欲が削がれて初値は苦しいくなりそう。
新規性に期待といってもマイクロ波活用はかなり昔から研究開発されて来ている印象がある。

ホームページで創業ストーリーなどをみると、なんとなく応援したくもなるが、
上場して資金調達がうまくいく時期ではない。換金上場っぽくみえるので一先ず静観が良さそう。

仮条件はこの時期でやや強気に上げているので、主幹事的には募集は集まるという強気。
結局、事業内容の注目度勝負ということなのだろう。
初値売りで短期で儲けたいかよりも、こういった事業の会社に投資してみたいかで判断したい。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です