ギックス(9219)のIPO新規上場情報

野村證券主幹事の「データ解析・コンサルサービス」。
人気の業態でビジネスのアイデアは良いが、翌期予想が弱く、新しいサービスがないと競合に負けてしまいそうな段階。
それ故、公開価格が非常に割高感がある状況になっている。

今のIPO地合いでは上場時買い手が付きにくそうなものの、野村主幹事でこの規模感のマザーズIPOならなんとか熟しそうな雰囲気。

売上の伸びは良いのに利益が4期ほど横ばいなのは業種からすると「何故？」の疑問は湧いてくる。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

社名の「ギックス」は「Garbage in X out」という造語。
「GIGO→GIXO」でゴミに見えるようなデータから価値あるアウトプットを掲げる。

ビッグデータ関連として扱われるが、そのコンサル系はいまいちな状況も多い。
少し前なら注目度だけで買われていたような業種なのにといったところで現時点では中立レベル。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年6月度、単体予想EPSは1.3円。
想定価格1,070円から計算される予想PERは約823.08倍。

売上は伸びる中、利益に関してはそれほど成長しているように見えない。
ここに来て、この高予想PERは懸念材料として見られそう。
成長期待のIPOに上値追いが見られない現状では、KYな価格設定で野村らしさがある。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約12.7億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事は野村證券。

売出株式比率71%とやや売出の多いIPO。オファリングレシオは標準範囲。

ベンチャーキャピタルなどからの出資はそれなりでロックアップが掛かってない5万株などあり。
しかし、他のロックアップは90日の価格解除要件無しで固め。
現状だと5万株程度保有のロックアップなしVCはすぐに売ってくる可能性もありそう。
（一応、上場後継続所有の確約がなされている模様）

ストックオプションの未行使残は800～1,450円と行使価格が高めなので気にならないか。

マザーズIPOで10億規模なら普段なら安心需給ではあるが、
中止が続くほど悪い地合いでどうなるか？なお、同日上場だったAnyMindが上場中止となり、
当日は単独上場となる。需給面ではスケジュール的な部分で追い風とはなりそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

ビッグデータ解析などを用いたコンサル企業はもはや人気企業と言い難くなっているマザーズ下落市場。
ここ最近では不透明感からか、初値からそれほど伸びないIPOも増えている。

そこにきて超高予想PERの価格設定をしているIPOに魅力が感じられるか？というところ。
企業の実力はどうであれ、投資は様子見という人が多くなりそう。売上の成長は魅力的だが・・・。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

中止が相次ぐほどのIPO地合いの不安定さの中出てくる、成長期待のマザーズIPO。
買い意欲が予想付かない部分が、評価を難しくさせている印象。
BB時点で同時上場予定だったAnyMindが中止となったことで注目度や意識は高まりそう。

地合いに押されやすい成長期待で割高感のあるIPOだけにスタンスは微妙のC評価とする。
ただ、初値では勝負になりやすい魅力部分（マザーズ・小型・ネット系条件）もあるので、
少なくとも地味系とか不人気系に比べると参戦妙味があるタイプのIPOと見る。

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です