サインド(4256)のIPO新規上場情報

理美容店向けのクラウド予約管理システム提供。企業向けソフトウェア・サービスでIPOでは人気業態の一つ。

業績は好調で増収増益の急成長中だが、その分やや見込まれた想定価格。吸収金額も50億程度と事業に対してやや大きく感じる。

野村證券主幹事で、上場ラッシュでもこれぐらいのスペックならすんなり熟してくれそう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

理美容院向けに特化したクラウド予約管理システム。
美容院サービスの特性（顧客と美容師の関係づくり）をサポートするように便利にカスタマイズされている。

上流タイプのサービスで注目度はそこそこ。
しかしながら上場ラッシュに入ってしまうと、抜群の注目度とは言えず見劣り感も。
12月22日上場は6社同時上場。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年3月度、単体予想EPSは33.9円。
想定価格2,940円から計算される予想PERは約86.73倍。

業績は急成長も高い成長が見込まれた価格設定。
特化的なクラウド予約管理システムなので、どこかでスケールは止まりそう。
今後はサロン系へ展開予定の成長見込みをどうみるか？

野村證券主幹事らしい高い値付けと言える。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約45.3億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事は野村證券。

売出株式比率40.3%で若干公募株割合が多い。オファリングレシオは標準範囲。

ベンチャーキャピタルからの出資は見当たらない。既存株主へのロックアップは価格解除なしの90日と固め。

ストック・オプションの未行使残は29円価格28万株ほどが行使期間。この程度の売り圧は意識。

やや大きめの吸収金額と、高い価格設定で需給面では積極的にはなりづらい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

ビジネス的には高成長のSaaS関連で期待度は高そう。すでに導入店舗を増やして成長、まだまだ伸びる可能性がある。
一方、どこかでスケールが止まりそうなビジネスでもあるので、成長見込みの高い値付けに納得できるかが焦点か？

今のビジネスモデルは良いけど、次のビジネスモデルという点では若干弱いか？
そうは言ってもIPOの中での業種では今のトレンド的なもので期待したい。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

上場ラッシュに入っていなければ、余裕のB評価で初値上昇を期待したいところだが、
6社上場となると、中規模・見込まれた価格設定が不安要素として出てくる。
買い分散でいまいちパットしない初値の可能性も。

仮条件引き上げで、さらに高値感が出ていてIPOディスカウント的な魅力が下がる。

それでも野村證券が見込んで上場ラッシュに持ってきた案件ということで、
B評価は据え置きにしておき、少しでもプラスになることを期待する。

買い分散の影響出れば良くて3,500円、思ったよりも買いが集まれば4000円視野。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です