サイエンスアーツ(4412)のIPO新規上場情報

岡三証券主幹事、既存株主にauカブコム証券。

現場向け（デスクレスワーカー）のコミュニケーションツール。アプリで使い勝手が良いのが特徴。昔のピッチ回線の上位版か？

業績は売上成長良いも赤字も拡大、黒字化見込みはかなり先か？サブスクタイプで契約（利用数）を伸ばすのが命題。

デスクワーカーにはすでにチャットツールなど複数あるので、デスクレスワーカーとして新たに認知されて伸びる要素があるかは考えたいところ。

IPOスペック的にはマザーズ・小型・情報通信系で初値高騰期待は高そう。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

デスクレスワーカーのコミュニケーションツール（プラットフォーム）提供で、
時流に乗っているビジネスと見られ注目度は高そう。

上場日は11月後半で2社同時上場となるが、どちらかといえばこちらが注目株となるので、
煽りは他社にいきやすいと思われる。岡三証券主幹事でなんとか結果を出したいところ。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年8月度、単体予想EPSは-30.26円。
想定価格1,510円から計算される予想PERは約-50倍。

赤字拡大中で割安性では測れない。ただ売上の伸びは順調。
攻めて赤字縮小や黒字反転の見込みが上場後すぐに見える状況でも良かったかもしれない。

割安性分野からは期待感はない。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約3.82億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事は岡三証券。

公募売出比は公募10：売出1でほぼ公募。オファリングレシオも低い水準。

VCよりも出資企業としてSBテクノロジーやauカブコム証券など企業名が目立つ。
ロックアップも９０日としっかり掛かっており当面の既存株主の売り圧力はない。

ストック・オプションの未行使残は241,600株。
153,600株が上場時参入で1500円の価格帯が多い。想定価格との比較を見ても上場後の株価向上期待は強そう。

需給面では十分に価値がある印象。
事業的にもこれからの伸びが期待できることから初値水準がみもの。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

デスクレスワーカーのコミュニケーションツール「buddycom」は分野的にも時流に乗った新分野、面白みがある。
働き方改革やテレワーク推進など、遠隔でのコミュニケーションツールは伸び代あり。

「デスクレスワーカー」という部分に特化しているのも企業需要を見ている点で好感が持てる。
通常のコミュニケーションツール系ならすでにたくさんのサービスが乱立しているため、
今後も「デスクレス」での使いやすさにこだわってサービス展開して欲しいところ。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

成長に期待するIPO。初値視点では需給面を考慮すると伸びそうな雰囲気。
ただ、最近のIPOは需給だけでは高騰しない状況が続いているので、予想するほど伸びない可能性も。
赤字拡大状況での上場というのは、投資意欲が削がれる可能性。

今までの評価に合わせるとA評価が妥当なIPOとみてA評価とするが、
結果的に初値はB評価レベルの水準に落ち着きそう。

岡三証券主幹事案件ということで、期待と不安が同居する。
枚数が少ないため、配分期待の妙味にも薄い。

全体考察
総合得点は8点で、私のBBスタンスはA評価です