日本調理機(2961)のIPO新規上場情報

東証2部上場の厨房機器メーカー。「NITCHO」ブランドで全国展開。
80期を超える地味な老舗企業。IPO使途も老朽化した建屋の改築。

業績は横ばい。コロナで営業的に厳しいからかやや下げているが、需要はアフターコロナで継続しそう。

初値期待はしづらく、ややディスカウントされた価格設定分買えるかどうか？というところだろう。地味ながらしっかりしていて信頼のある調理メーカーなので、長く応援できる人向け。

このスペックのIPOでSBI証券主幹事は珍しい。また東証2部上場にしては小型で希少感あり。変なところで仕掛けられる可能性も。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

東証2部上場、セクターは金属製品。80期を超す老舗企業で地味系案件。
それが主幹事SBI証券で出てきているので、逆に珍しい雰囲気もある。

今後、SBI証券はこういった企業のIPO取り扱いも増えてくるかもしれない。
地味系だけに上場タイミングは11月の隙間上場というのはありがたいところか？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年9月度、単体予想EPSは308.24円。
想定価格2,710円から計算される予想PERは約8.79倍。

成長性はほぼない企業と言えるので、IPOディスカウントは必須。
指標的には悪くない価格設定で割安と見る。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約7.88億円（想定価格ベースOA分含む）の小型IPO。
上場市場は東証2部市場。主幹事はSBI証券。

公募売出比は売出株式比率42.7%で若干数公募が多い。オファリングレシオは高めの標準範囲。
既存株主は創業一族や持株会などでシンプル。ロックアップも固い。
ベンチャーキャピタルなどからの出資は見当たらない。

ストック・オプションの未行使残は13,500株。気にならない内容。

上場時の売り圧力はほぼなさそうで、吸収金額も2部上場にしては小さく、
需給面ではある程度よく見える。

買い需要がどうなのか？という点だが「NITCHO」ブランドは全国展開しており、
それなりに厨房界では知名度はありそう。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

人気化は難しいが、安定感のある需要が今後も続きそうな企業。
資金使途が九州建屋の老朽化改築というところからも、そろそろメンテナンスが必要な時期。

必要資金のために比較的ディスカウントを付けて上場資金集めに見える。
初値人気はなさそうだが安定的なポートフォリオとしては好かれる可能性もあり。配当もそこそこ出そうだ。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

事業は地味で、初値で高騰とはいかない銘柄。
それでも公開価格は割安感のある設定となりそうで、一定数の買いが見込めそう。
類似上場企業と比較しても、かなりお買い得な水準なのはありがたい。

初値期待は低いものの、吸収金額の小ささ、上場後の売り圧力の低さを考えると、
安いうちに買っておきたい需要からある程度初値から価格水準を切り上げて始まる可能性はある。

SBI証券主幹事といえど、枚数が少ないので公募当選期待は結構低いので、
妙味も含めるとBorCレベルの評価は妥当なところか？

全体考察
総合得点は5点で、私のBBスタンスはC評価です