ワンキャリア(4377)のIPO新規上場情報

就職市場のプラットフォーム事業。キャリアをデータ化しDX支援が特徴。労働市場系のIPOは若い経営者が上場まで持ってくることが多いと感じさせる。

規模感中規模、成長率高いもやや見込まれた価格設定。このところ同系IPOが冴えない部分がどう影響するか？

10月スタートIPOで他のIPOが重ならないこと、9月下旬のIPOが無事に通過することも初値上昇の条件に加えたい。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

マザーズ中型の労働市場関連IPO。キャリアデータをつかってクラウド効率化が特徴。
人気の高いDX系だが、このところのDX系の動きには気を使いたい。

10月のスタートIPOで、上場ラッシュ明け。
翌日に別のIPOを控えるが、スケジュール感的にはタイミングよし。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年12月度、単体予想EPSは41.4円。
想定価格2,040円から計算される予想PERは約49.28倍。

成長を見込まれた価格設定でディスカウント性は感じない。
IPOの地合いが悪いと、こういった成長を見込まれた価格設定のIPOは厳しくなってきている。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約27.1億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証マザーズ市場。主幹事はSMBC日興証券。

売出株式比率48.1%で公募売出比はほぼ半々。オファリングレシオは標準範囲内。

既存株主にはベンチャーキャピタルの出資が見られ50万株。
ロックアップが1.5倍で解除されるので、早めの追加売に警戒。

ストック・オプションの未行使残は上場時参入が28.5万株程度。
この手のIPOとしてはそこそこといった内容。

マザーズ中規模案件が、やや見込まれた想定価格で買いが集まるIPO地合いかが焦点になりそう。
上場タイミング的には普段なら良いが、今年はどうもIPO地合いが弱い。
注意すべきレベルということで需給は中立で評価したい。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

労働市場（キャリア）系企業のIPOは若い経営者が上場まで持ってくることが多く、こちらもチームの人材が若い。
さらに流行りのビッグデータAI最適化、DX化というのを売りにしている。

IPO地合いが絶好調なら売りが素直に受け入れられて人気しそうだが、
現在はIPOへの買いが集まりにくい状況。こういった成長期待銘柄には不安が募る。
上場後の成長可能性についてはよくよく考えておきたい。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

業種や業績からは注目されそうだが、IPO地合いが悪そうなときでは足元をすくわれやすいタイプのIPO。
10月一発目のIPOなので注目度でプラス評価してなんとかなりそうも、という程度。

足元の成長はやはり評価したいので、この成長率がまだ続きそうなのか？
より成長の可能性のある事業なのか？というのは個々人でも考えておきたいところ。

就職市場を意識した企業は多い、ここはキャリアデータ活用での効率化だが、
そういった企業も増えてきているので、今後はライバルとの競争も考えるとどこかで頭打ちになりそうと考えるのが自然。

総合評価は初値プラスを期待してBとするが、IPO地合いがかなり悪いと公募割れまで見ておきたい銘柄。
また初値後の動きも、こういった見込まれた評価のあるIPOは動きが悪い。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です