アルマード(4932)のIPO新規上場情報

2020年4月上場予定も上場延期、2021年6月に再新規承認。
「前回→今回」
公募：50,000→50,000株
売出：5,350,000→5,250,000株
想定価格1,620円→840円
想定時吸収金額：100億円→51.1億円

1年で約半値の値付けになっている。それでも上場して換金したいVCの実情か？

化粧品化学セクターはここ最近好調も6月上場ラッシュに入ると注目度で押されて苦戦可能性。商品が高級路線なのがどうか？

初値プラスになっても公募付近で、初値自体は期待しづらい状況。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

2020年4月に上場予定もコロナ禍で延期。当時よりも約半値の想定価格。
既存株主をみるとVCが筆頭株主などイグジットIPOとして見られやすい。

上場ラッシュ、4社同時上場を考慮すると初値はどこまで？
注目度的には卵殻膜開発による食品、化粧品に関してはそこそこあるか？

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2022年3月度、単体予想EPSは55.31円。
想定価格840円から計算される予想PERは約15.19倍。

昨年度実施予定の価格を考慮すると、随分と割安感がある。
野村證券主幹事でこれなので、値付けには信憑性があるのかないのか？
しっかりと上場させたい思惑で安めの値付けだと嬉しいところ。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約51.1億円（想定価格ベースOA分含む）のやや規模の大きいIPO。
上場市場はジャスダックスタンダード市場。主幹事は野村證券。

売出株式比率99.1%とほぼ売出IPO。VCなどの現金化イベントと言える。
オファリング・レシオも高め。果たして上場後の成長意欲はあるのか？

売り出した後もそこそこにVCの持ち株はあるので、安値でもさらに売ってこないか注意。
ストック・オプションの未行使残は約31万株がすべて行使可能期間に入っている。

やはりファンドの売出IPOということで需給はあまり良くない。
吸収金額をこれでもかなり下げてきているが、果たして上場ラッシュでどう出るか？

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

それなりにIPOでは人気の高い化粧品を含む化学セクターだが、高級路線の品物ということでどうなるか？
業績では2021年の減収減益が気になるところ。

卵殻膜がブームになるようなものなら上場間近でもっと伸びるはず、いまいち納得できない業績と言えそう。
一年経って値付けを随分下げてきたというのは、そういうことなのかと思ってしまう。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

2020年IPO予定だったが延期、1年後に大幅に値付けを下げて（業績も下げて）というのはイメージが悪い。
IPOはやや期待度込みで買われる部分がある中で、かなり期待度が低下しそう。
そこから買い需要が落ち込むと見れば、安値放置という結果もあり得る。

上場ラッシュ、4社同時上場と外部環境が悪い中、こういった銘柄は難しいところ。

野村主幹事だからと初値に期待せずに、公募割れならじっくりと付き合えるのか？ぐらいで判断したほうが良いかもしれない。
株主優待新設などで高級化粧品が貰えるようになるか？あとは謎の卵殻膜ブームが来るか？
ただ、上記のようなことを待つにしても公募株でなく上場後に安値で買えるタイミングはあるかも。

どうもイグジット臭のあるIPOはあべこべ感があって、1年経過でそれが露呈しているのが残念。

全体考察
総合得点は4点で、私のBBスタンスはC評価です