紀文食品(2933)のIPO新規上場情報

ロックアップ対象株式は12,247,956株。食品、外食、銀行、保険、証券といった持ち合い的な株主が多い。ロックアップなくてもすぐに売る可能性は低い。

知名度の高い練り物食料品セクターの上場。売上横ばいなどIPO面で見れば初値期待は薄め。ただ、知名度の高さや一般的な人気の高さから予想よりも好結果の可能性あり。

同業他社の上場銘柄との比較では多少IPOプレミアムディスカウントを感じる。何かしらの優待新設にも期待がかかる。

１．注目度…全般的なＩＰＯとしての注目

練り物メーカーで超有名企業。既上場と言われてもおかしくない。
東証1部上場で注目だが、東証1部にしては規模感が小さい。

4月中旬の単独上場で、注目度高いままいい形で上場できそう。

２．割安性…ＰＥＲ，ＰＢＲなど財務情報、価格設定から

2021年3月度、連結予想EPSは106.2円。
想定価格1,310円から計算される予想PERは約12.34倍。

もともと大手の練り物食料品メーカー（マルハやはごろもなど）と比べても
それなりに妥当な価格設定だったが、仮条件でさらに割安に引き下げ。

仮条件をかなり下げるとは思わなかったが、引き下げに好感を持ちたいところ。

３．規模…吸収金額と市場、売り圧力関係

吸収金額は約62.4億円（想定価格ベースOA分含む）の中型IPO。
上場市場は東証1部市場。主幹事はみずほ証券。東証1部上場ではかなり吸収金額小さい。

売出株式比率27.6%と公募が多め。オファリングレシオは標準範囲。
IPOの資金使途は「カニカマ」の生産力アップに利用（世界的に需要が高い）

ベンチャーキャピタルからの出資は1社37万株。ロックアップは1.5倍解除。
上位株主には銀行・証券・食料品などが占めていて、既発行株には動きが少なそう。

ストック・オプションの未行使残はなし。

一般的な知名度から上場時の買い需要も考えれば、需給面は良好と感じる。
何よりも東証1部上場で吸収金額60億レベルは、かなり供給が少ない印象もある。

４．業種…人気化しそうな業種か？魅力があるかなど

「紀文」の練り物は誰もが一度はお世話になってそうなぐらい知名度が高い。
基本的にIPOで食料品セクターは人気がないが、価格設定的にも上場時に買いたくなる状況。

安定配当や株主優待などを期待して長期保有する人も多そうで安定株としての魅力あり。
長期的に保有しても損はしなさそうな銘柄。

５．評価…総合的評価や特記的事項を含める

東証1部上場の食料品セクターということで初値視点で見れば高騰期待はできない。
しかし、値ごろな価格設定や東証1部にしては吸収規模も小さいので、
需給面で見れば買い圧倒からの期待感はある。

東証1部上場の再上場イグジット案件でも初値プラスだったように
IPO好調はかなりのもので、地合い継続ならいつも以上に良いスタートを期待したい。

全体考察
総合得点は6点で、私のBBスタンスはB評価です